2025-06-07 コメント投稿する ▼
赤沢経済再生相「一致点見いだせず」 日米関税協議難航、G7前の合意実現は困難に
赤沢経済再生相が訪米 日米協議は5回目に
日本政府は、トランプ米政権下で再び強化される恐れのある関税措置への対応を急いでいる。2025年6月6日(現地時間)、赤沢亮正経済再生担当相は米ワシントンでベセント財務長官およびラトニック商務長官と相次いで協議を行った。だが、期待された一定の進展には至らず、今月中旬にカナダで予定されるG7サミットまでの合意実現は見通せない状況だ。
赤沢氏は会談終了後、記者団に対し「合意の実現に向けた議論は進展した」としつつも、「現時点で一致点は見いだせていない」と明言。米国側との立場の隔たりの大きさを認めた。
日米間の関税協議は今回で5回目。赤沢氏は3週連続で渡米し、連続的に交渉に臨んでいる。5日にはラトニック商務長官と110分間、6日にはベセント財務長官と45分間、さらに再びラトニック長官と110分にわたって会談を重ねた。
トランプ政権の高関税政策に日本が警戒
背景にあるのは、トランプ前大統領が再び影響力を強めている米国内政情と、それに伴う通商政策の不透明感だ。赤沢氏は、米国の高関税措置が日本経済に与える影響を強く懸念しており、今回の訪米でも一連の関税見直しを「強く求めた」と明かした。
「一連の関税措置の見直しができるのであれば、合意はサミットまで待つ必要はない」
「日米双方にとって利益となる合意を目指し、引き続き精力的に調整する」
これまで日本政府は、15日からカナダで開かれるG7サミットにあわせ、石破首相とバイデン大統領(または代理首脳)による一定の合意を打ち出す方針だったが、今回の結果を受けてその実現性が大きく揺らいでいる。
次回協議の日程も未定 交渉継続へ
赤沢氏は今後の協議予定について、「現時点で次回の日程は決まっていない」とし、今後の交渉の道筋も不透明なままとなっている。
今回の訪米では、通商問題にとどまらず、経済安全保障、非関税措置、日米間の貿易拡大についても議題に上がったとされているが、実質的な前進にはつながっていない。米国側は選挙イヤーであり、保護主義的傾向が強まっていることから、日本の主張が通りにくい状況も背景にある。
とはいえ、赤沢氏はサミット前の合意を完全には諦めていない姿勢を示し、「G7での日米首脳間の接点も見据えつつ、双方の利益となる合意を追求する」と繰り返した。
ネットでは「粘り強さ評価」も
赤沢氏の粘り強い交渉姿勢に対し、SNSでは一定の評価も広がっている。
「のらりくらりと交渉してうまくいくと思っている事にビックリ」
「一致点が見つからないのは当たり前。日本は最初から同じことしか言ってない」
「石破政権、米国の圧力に押されすぎじゃない?」
「G7前に結果を出すのは無理だったか…」
「交渉は水面下が本番。表のコメントは読みすぎ注意」
通商問題は国民の生活に直結する課題であり、日本側の立場をいかに明確に伝え、相手国との信頼関係を保ちつつ妥協点を見出せるかが問われる。
合意なきG7となるか 外交手腕に注目
関税問題に限らず、経済安全保障や半導体供給網、AI規制など、G7サミットの場では多数の懸案が俎上に載る見通しだ。日米協議に合意がなければ、日本が単独でリスクを引き受ける構図にもなりかねない。
赤沢経済再生担当相の外交手腕と政治的調整力が、今後どこまで発揮されるか。首脳級での最終交渉を前に、時間との勝負が続く。