2025-11-06 コメント投稿する ▼
高市首相がクマ対策を大幅強化、警察官ライフル銃駆除とガバメントハンター確保で国民の安全守る
高市首相がクマ対策強化を表明、警察官のライフル銃駆除と「ガバメントハンター」確保へスピード対応。 警察官によるライフル銃を使用したクマの駆除について早急に対応していく と明言し、狩猟免許を持つ「ガバメントハンター」の確保などを進めることを想定していると述べた。
高市早苗首相は2025年11月6日の参院代表質問で、全国で深刻化するクマ被害への対策について「スピード感を持って必要な施策を実行に移す」と強調し、抜本的な対策強化を表明した。警察官によるライフル銃を使用したクマの駆除について早急に対応していく と明言し、狩猟免許を持つ「ガバメントハンター」の確保などを進めることを想定していると述べた。2025年度のクマ被害による死者数は既に7人と過去最多を更新しており、政府は従来の枠組みを超えた緊急対策に乗り出している。
過去最悪のクマ被害、死者7人で統計開始以来最多
環境省によると、2025年度のクマによる死亡者数は7人となり、統計を取り始めた2006年度以降で過去最多を更新した。内訳は北海道と岩手県で各2人、宮城県、秋田県、長野県で各1人 となっている。
けが人を含めた人身被害の件数は4月から9月に99件(108人)に上り、過去最悪のペースで推移している。これは前年度の負傷85人を大きく上回る深刻な状況で、被害は山間部だけでなく市街地にも拡大している。
長野県飯山市ではクマが住宅に侵入し3名が重軽傷を負う事件が発生し、秋田市の物流倉庫にもクマが侵入して長時間立てこもる事態が発生するなど、従来の常識を覆す被害が続出している。
「クマが市街地まで出てきて本当に怖い。早く対策してほしい」
「警察がライフル銃で駆除って、それだけ深刻な状況ってことか」
「ガバメントハンターって頼もしい響き。プロに任せるべき」
「里山が荒れて境界がなくなったのが原因。根本的対策も必要」
「高市さんのスピード感ある対応は評価できる」
警察官によるライフル銃駆除、前例なき緊急措置
政府の関係閣僚会議が10月30日、警察庁に対し警察官がライフル銃を使って駆除することを検討するよう指示し、警察自らが駆除に乗り出すことになった。クマの駆除は鳥獣保護法で自治体などが主導するとされ、警察は住民の安全確保が主な役割だった が、被害の深刻化を受けて従来の枠組みを変更することとなった。
実際に対応にあたるのは都道府県警の機動隊員らを想定している。クマは頭蓋骨が硬い上に皮下脂肪が厚く、地域警察官の拳銃では効果がないとみられるため、機動隊が所持するライフル銃の使用を想定している。
ただし実施には課題もある。機動隊でもライフル銃の訓練をしているのは銃器対策部隊など一部の人員に限られ、内容も犯人狙撃など対人のもの。実施前にはハンターからクマの生態や有効な射撃部位などを学び、射撃訓練を積む必要がある。
ガバメントハンター確保で人材不足解消へ
高市首相は「狩猟免許を持つものを公務員として任用する、いわゆる『ガバメントハンター』の確保などを進めていく」と述べ、駆除を担う自治体職員の確保に言及した。また「自衛官や警察官のOBを含む経験と能力を有する多くの人材確保に努める」と述べた。
環境省は自治体がハンターを職員として雇うための交付金を2025年度内に新設する方針を示している。現在の緊急銃猟は地元猟友会のハンターが中心となっているが、ハンターの人手不足が深刻な問題 となっており、公務員として専門的に対応する人材の確保が急務となっている。
林芳正総務相も31日の閣議後会見で、駆除を担う自治体職員「ガバメントハンター」の確保を支援する考えを示しており、政府全体でスピード感を持った対応を進めている。
里山の過疎化が被害拡大の要因
高市首相はクマとの緩衝地帯となっていた里山が過疎化などで人が利用しなくなったことも被害拡大の要因の一つとの認識を示した。かつて薪炭材の産出やキノコ・山菜の栽培、堆肥の原料として落葉や下草の採取が行われていた里山 が、人口減少とともに放置され、クマの生活圏と人間の居住区域の境界が曖昧になっている。
専門家の調査では、北海道のヒグマは1990年の約5,000頭から2023年には約11,600頭の2倍以上に増加。ツキノワグマも2020年度で全国で11,700頭(中央値)と増加傾向にあり、30年間で頭数が2倍以上に増加、分布域も約1.4倍と拡大している。
東北地方などでは餌となるブナの実の大凶作が見込まれており、冬眠前の秋にはクマが活発化するため、クマの出没がさらに増える可能性がある。
高市首相は今月中旬に取りまとめる対策パッケージを待たず、「スピード感を持って必要な施策を順次、実行に移す」と述べており、国民の安全確保を最優先とした迅速な対応が期待される。政府の本格的なクマ対策強化により、人とクマが安全に共存できる環境の構築が急がれる。