妊活支援の現場から国政へ　無所属連合の中野智彰氏、参院千葉選挙区に出馬表明

理学療法士から政治の舞台へ　中野智彰氏が立候補表明

今夏の参議院選挙（千葉選挙区・改選数3）に、新人の中野智彰氏（48）が政治団体「無所属連合」から公認を受け、立候補する意向を明らかにした。中野氏は6月12日、千葉県庁で記者会見を開き、「不妊に悩む方々の声を政治に届けたい」と語り、自身が代表理事を務める「日本妊活協会」での現場経験を政治の場で活かす決意を表明した。

理学療法士として長年にわたり妊活支援に携わってきた中野氏は、医学的アプローチにとどまらず、生活習慣や社会的ストレスの側面からも不妊の課題に取り組んできた人物だ。「医療制度や社会保障の壁にぶつかることが多く、政策の力なしに現場が限界を迎えている」と述べ、妊活支援の国家的な取り組みを強化する必要性を強調した。

妊活支援政策の実現へ、当事者目線の訴え

中野氏の訴えは、単なる医療支援にとどまらない。現在の制度では保険適用の範囲や助成金制度に制限があり、支援の網から漏れてしまう夫婦も多い。加えて、職場環境や社会的偏見も、妊活における深刻な障害となっている。

「不妊治療は医療の問題であると同時に、雇用や教育、そして価値観の問題でもある」と中野氏は指摘する。自身が接してきた多くの当事者からの声をもとに、社会制度全体の見直しを求める姿勢を打ち出した。

少子化が進む中、妊活支援の強化は避けて通れない政策課題であるにもかかわらず、政治の場で本格的に取り上げられる機会は限られてきた。中野氏は「当事者や現場の専門家が政治に関わるべき時期に来ている」として、国政における当事者主導の政策形成を提案している。

「無所属連合」の候補として「しがらみなき政治」を強調

中野氏が立候補する政治団体「無所属連合」は、政党に依存せず独自の政策を掲げる政治家の連携体で、既成政党とは距離を置くスタンスを取っている。中野氏も「党利党略にとらわれず、現場からの真の課題解決を目指す」と語り、「市民の生活に根差した政治」をキーワードに掲げる。

特定の政党に所属しないことにより、法案審議や予算編成において柔軟な立場を取れるのが無所属連合の強みでもある。中野氏は、医療・福祉・少子化対策を中心に据えた政策を具体的に提示し、国会における政策形成過程に風穴を開けることを狙う。

千葉選挙区は3議席を争う激戦区であり、自民・立憲・維新といった大政党の候補に加えて、無所属や新興勢力の動向が注目される構図となっている。中野氏の立候補は、政治と生活者の距離感をどう埋めるかという意味でも、象徴的な試みとなる可能性がある。

ネット上の反応

妊活支援をテーマに政治に出るのは珍しいけど、大事な視点。
政党に頼らないのは好感が持てる。現場の声をそのまま届けてほしい。
子どもがほしいと思っても支援が乏しい現状は変えるべき。
少子化対策っていっても、実際の苦労は理解されてないから応援したい。
無所属でも実績があるなら、国会に行ってもやれるはず。期待したい。