副首都構想で自民維新が対立激化、大阪ありき法案に各党反発で協議難航

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副首都構想で自民維新が対立激化、大阪ありき法案に各党反発で協議難航

政府が12年ぶりに首都直下地震の被害想定を見直し、死者最大約1万8000人という衝撃的な数字が示される中、維新は副首都構想の必要性を強く主張。 維新にとって、この新想定は副首都構想推進の格好の材料となっています。 大阪都構想は2015年と2020年の2度にわたって住民投票で否決されましたが、維新は諦めておらず、副首都構想を通じて実質的な都構想実現を目指していると見られています。

副首都構想で自維連立に亀裂


大阪ありきの維新案に自民猛反発、首都直下地震の新想定でも協議難航

自民党と日本維新の会が来年1月召集の通常国会で成立を目指す「副首都」法案をめぐり、与党間の対立が深刻化しています。政府が12年ぶりに首都直下地震の被害想定を見直し、死者最大約1万8000人という衝撃的な数字が示される中、維新は副首都構想の必要性を強く主張。しかし、維新が提示する法案骨子が事実上「大阪ありき」の内容となっているため、自民党や他党から強い反発を招いており、協議は難航必至の情勢です。

首都直下地震の新想定が追い風に


政府は19日、東京都心南部を震源とするマグニチュード7クラスの地震について、12年ぶりとなる新たな被害想定を公表しました。死者は最大約1万8000人、全壊・焼失する建物は40万棟、経済被害は約83兆円に上るという深刻な内容です。

この発表を受け、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は大阪市内で記者団に対し、「首都機能のバックアップ、経済を支える、そういった副首都が必要だと改めて思う」と強調しました。維新にとって、この新想定は副首都構想推進の格好の材料となっています。

首都直下地震は今後30年以内に70%の確率で発生するとされており、首都中枢機能の麻痺は国家の存続に関わる重大な問題です。維新はこの危機感を背景に、副首都構想を「国難対策」として位置づけ、連立政権での政策実現を強く求めています。

「やはり首都直下地震のリスクを考えると副首都は必要」
「東京に全て集中しすぎているのは危険だと思う」
「でも大阪だけに限定するのはおかしい」
「福岡の方が適している場合もあるのでは」
「維新の都合のいいように制度設計されていて不公平」

維新案は「大阪決め打ち」との批判


副首都構想は維新が7月の参院選で看板公約として掲げ、10月の自民党との連立合意文書に「2026年通常国会で法案を成立させる」と明記されました。法案化に向けた検討が本格化する中、問題となっているのは維新が9月に作成した法案骨子の内容です。

骨子では副首都の指定要件として「大都市地域特別区設置法による特別区が設置された地域」などと規定されています。これは政令指定都市を廃止し、東京23区のような特別区に移行することを求める内容で、現時点でこの要件を満たそうとしているのは、維新が「都構想」として2度住民投票に挑戦した大阪府・市のみです。

維新は「二重行政の解消が目的」と説明していますが、これに対し自民幹部は「これでは大阪決め打ちだ。他党から賛成してもらえない」と厳しく批判。政府関係者も「大阪を副首都にするための法案と見られるので良くない」と否定的な考えを示しています。

国民民主党の玉木雄一郎代表も「多面的に議論することが必要だ」とけん制しており、維新案への批判は与野党問わず広がっています。

福岡市長が名乗り


維新案への批判が高まる中、大阪以外の自治体からも副首都への意欲を示す声が上がり始めています。最も積極的なのが福岡市の高島宗一郎市長で、10月の記者会見で「首都のバックアップ機能ということであれば福岡はまさに適地だ」と明言しました。

高島市長は「南海トラフ地震を想定したときに同時被災のリスクが最も少ない大都市は日本海側の福岡市だ」と強調し、災害時のリスク分散という観点から福岡の優位性をアピール。実際、首都直下地震と南海トラフ地震が連動して発生する可能性が指摘される中、地理的に離れた福岡の地政学的価値は高く評価されています。

福岡市は九州最大の都市で、アジアとの玄関口としての機能も持っています。既に国際空港、新幹線、高速道路などのインフラが充実しており、スタートアップ都市としても注目を集めています。維新が想定する大阪とは異なる副首都のモデルを提示した形で、今後の議論に大きな影響を与える可能性があります。

維新の本当の狙いは「大阪都構想」復活


維新の副首都構想をめぐっては、その真の狙いが「大阪都構想」の復活にあるとの指摘が相次いでいます。大阪都構想は2015年と2020年の2度にわたって住民投票で否決されましたが、維新は諦めておらず、副首都構想を通じて実質的な都構想実現を目指していると見られています。

興味深いことに、維新の松井一郎元代表(元大阪市長)でさえ、この手法を批判しています。「副首都というのは必要ですよ。東京一極集中の是正は必要。それと僕が2回負けた都構想とセットにする話ではない」「(副首都と都構想を)セットにするのはせこいやり方」と述べており、身内からも疑問視されている状況です。

維新関係者は「万博が終わり、大阪は経済的には統合型リゾート(IR)ぐらいしかない」と漏らしており、副首都指定による経済効果への期待が透けて見えます。しかし、こうした地域エゴ的な側面が前面に出ることで、全国的な理解を得るのは困難な情勢です。

費用対効果への懸念も


副首都構想の実現には莫大な費用がかかることも課題となっています。日本総研の試算によると、首都機能移転の費用は4.0兆円から7.5兆円程度と見積もられており、財政状況が厳しい中での大規模投資には慎重な検討が必要です。

また、行政機能の分散がかえって非効率を招く可能性や、大阪への過度な集中による新たな問題の発生なども懸念されています。経済効果についても、首都機能を分散して一部を大阪に移転するだけでは、行政の縦割りが強まるだけであり、関西経済の真の自立にはつながらないとの指摘もあります。

今後の展望


来年1月召集の通常国会での法案成立を目指す維新ですが、現状では他党の理解を得るのは極めて困難な状況です。自民党内でも維新案への批判は強く、連立政権の結束に影響を与える可能性もあります。

今後の焦点は、維新が法案骨子をどこまで修正するかにかかっています。大阪に特化した要件を見直し、より幅広い自治体が対象となるような制度設計に変更できるかが鍵を握ります。

一方で、首都直下地震の新想定が示すリスクは現実的な脅威であり、首都機能のバックアップ体制構築は喫緊の課題であることも事実です。政治的な思惑を超えて、真に国家の危機管理に資する制度設計ができるかが問われています。

福岡市をはじめ、他の自治体からも関心が示されている今、維新は「大阪ありき」の姿勢を改め、より開かれた議論を受け入れる必要があるでしょう。国民の安全保障に関わる重要な政策だけに、党派を超えた建設的な検討が求められています。

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2025-12-22 09:52:51(植村)

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