2025-06-27 コメント投稿する ▼
中国ヘリの尖閣領空侵犯で“上陸懸念”高まる 松沢議員が警鐘、政府に即応強化を要請
中国ヘリの尖閣領空侵犯、上陸の可能性に懸念 松沢議員が政府対応を追及
沖縄県・尖閣諸島の周辺空域で5月3日、中国の海警局に所属するヘリコプターが日本の領空を侵犯した。この件に対し、日本維新の会の松沢成文参院議員(神奈川選挙区)は5月27日の参院外交防衛委員会で、「今回、ヘリの領空侵入を許したことで、中国側が尖閣諸島に上陸を試みる可能性が現実味を帯びてきた」と強い危機感を示した。
防衛省によると、事案発生時には航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進し、中国側に抗議したという。しかし、松沢氏は「ヘリがすでに母船に戻っており、自衛隊の到着は間に合わなかった」と指摘。さらに「この状況では、中国が尖閣に降下作戦を展開できると誤認しかねない」として、実効的な抑止力強化を訴えた。
中国の言い分と日本の疑念
中国側は「日本の民間機が尖閣上空を飛行したため対応した」と説明しているが、実際には該当の航空機が通過した1時間以上も後にヘリが飛来している。この時差から、「中国が日本の飛行を口実にして意図的に侵犯した」との見方が政府関係者や有識者の間で広がっている。
松沢氏は、「尖閣諸島上空でのホバリングや人員降下が可能であることを示す行為は、国際社会への既成事実化の一歩だ」と強調。これまで海上の侵犯が中心だった中国の動きが、空中作戦へのシフトを見せ始めていることを危惧する声が高まっている。
自衛体制の強化が急務
今回の事案を通じて浮き彫りになったのは、日本の対応体制の遅れだ。海上保安庁の巡視船は、空中の脅威に即応する装備を持たず、ヘリの発進を事前に把握できなかった可能性もある。松沢氏は「海保と自衛隊の連携強化、さらには領空侵犯時に即座に対応できるような体制構築が必要だ」として、早急な整備を政府に求めた。
また、安全保障専門家からは「中国のヘリが搭載していたのは兵員輸送に適した機体であり、万が一にも人員を島に降下させていた場合、取り返しのつかない事態になっていた」との指摘もある。防衛省の初動対応が後手に回れば、中国の実効支配を許すことにつながりかねない。
国民の声も怒りと不安
今回の事案について、SNS上では多くの国民が政府の対応を不安視し、より強い姿勢を求めている。以下はX(旧Twitter)などで見られた主な意見だ。
「もう“遺憾砲”だけじゃ足りない。実力で守る覚悟を見せるべきだ」
「中国は本気で尖閣を取りにきている。政府は目を覚ましてくれ」
「海保の装備が旧態依然すぎる。空からの脅威にどう対応するつもりなのか」
「軍事的手段ではなくとも、より踏み込んだ外交的圧力を」
「尖閣は日本の領土。守るための実力行使も否定されるべきではない」
尖閣防衛の岐路に立つ日本
中国の挑発行動は明らかにエスカレートしており、今回のヘリ領空侵犯はその一環だ。既に海上での主導権争いが続く中、空域までをも侵し始めた中国の行動は、明白な国際法違反である。日本政府は、口先だけの抗議に終始するのではなく、領土を実効的に防衛する具体策の提示を迫られている。
防衛体制の再点検、海保の装備近代化、そして有事シナリオを想定した訓練と法整備——。日本の主権を守るため、先送りにしてきた課題に今こそ真正面から向き合う時だ。