2026-03-04 コメント投稿する ▼
奈良市議がハラスメント、職員うつ状態で病気休暇、議会に報告
奈良市は3月4日、市議会の厚生消防委員会の事前調整や当日の対応で、市職員が市議から威圧的な言動などを受け、うつ状態となるハラスメント事案があったと明らかにしました。 奈良市議会では今年1月、議員が関係するハラスメントの発生状況を把握するため、職員および議員を対象に匿名制でアンケート調査を実施していました。 圧倒的に議員から職員へのハラスメントが多いことが明らかになりました。
奈良市議会では今年1月、議員が関係するハラスメントの発生状況を把握するため、職員および議員を対象に匿名制でアンケート調査を実施していました。その結果が4月1日に公表され、市議から職員へのハラスメントが42件指摘されていたことが判明したばかりでした。
委員会対応で威圧的言動を受ける
今回明らかになった事案は、市議会の厚生消防委員会に関連する業務の中で発生しました。事前調整や当日の対応などで、職員が議員からの威圧的な言動を受けたということです。
被害を受けた職員はうつ状態となり、現在は病気休暇を取得しています。市は速やかに市議会側に報告し、再発防止に向けた適切な対応を求めています。
「議員からの威圧で精神的に追い詰められた」
「委員会対応がトラウマになってしまった」
「職員が安心して働ける環境が必要だ」
1月のアンケートで42件のハラスメント
奈良市は2021年に「奈良市議会ハラスメントの防止に関する指針」を策定していました。その実効性を検証する目的で、今年1月14日から28日までの15日間、職員および議員を対象に匿名制でアンケート調査を実施しました。
調査の結果、職員627人と議員30人から回答がありました。職員の回答率は23パーセント、議員の回答率は81パーセントでした。「現在の議員の任期中に議員にハラスメントをされた、またはしたことがありますか」という質問に対し、27人の職員が「ある」と回答しました。
誰から誰へのハラスメントだったかの問いに対しては、議員から職員へが42件、職員から議員へが2件という結果でした。圧倒的に議員から職員へのハラスメントが多いことが明らかになりました。
乱雑な口調、侮辱的言動、長時間の打合せ強要
議員から職員へのハラスメントの具体的な形態については、「乱雑な口調で業務上の指示を行い、恐怖感を与える」「他者の前で侮辱的な言動を行う」「明らかに必要のない打合せを長時間にわたり強要する」などが挙げられました。
これらのハラスメントは、日常的な議会対応の中で繰り返し行われていたと見られます。職員は議員からの要求に応えなければならない立場にあり、拒否することが難しい状況でハラスメントを受け続けていたと考えられます。
奈良市は「アンケート調査は匿名制で実施したため、記載内容について個別に事実確認を行うのは困難」としています。ただし、今回の病気休暇に至ったケースについては、具体的な事案として市議会側に報告されました。
「他の職員の前で怒鳴られて恥をかかされた」
「深夜まで呼び出されて資料作成を強要された」
議長が強い決意で防止対策を表明
アンケート結果の公表を受けて、奈良市議会の森岡弘之議長はコメントを発表しました。「アンケート調査において、議員が関係するハラスメントの被害を受けたとの回答が少なからず寄せられたことについては、非常に重く受け止めております」と述べました。
その上で「強い決意をもって実効性の高いハラスメント防止対策を講じることにより、ハラスメントのない安心して働ける環境づくりに早急に取り組んでまいります」と表明しています。
議員から職員へのハラスメントは、奈良市だけの問題ではありません。埼玉県川越市では2019年、市議による市職員へのセクハラ・パワハラが問題となり、議員のハラスメント防止に関する条例が制定されました。東京都国立市でも同様の事案を契機に、セクハラ・パワハラの禁止を含む政治倫理条例が制定されています。
地方議会における議員から職員へのハラスメントは、全国的に深刻な問題となっています。職員が安心して職務に専念できる環境を整備するため、実効性のある防止策が求められています。