2025-04-24 コメント投稿する ▼
舟山康江議員が政府の米政策と漁業制度に苦言 MM米とSBS米の矛盾に「一貫性がない」
舟山議員が疑問呈す 輸入米政策の一貫性とは
参議院農林水産委員会で4月下旬、舟山康江議員(国民民主党)は政府のコメ政策の矛盾を厳しく追及した。焦点となったのは、食料供給困難時に活用されるミニマムアクセス米(MM米)と、財務省が推進するSBS米(売買同時入札米)の拡大策だ。
政府は今春、食料危機に備えてMM米を活用する方針を閣議決定したばかりだった。ところが、そのわずか4日後、財務省はSBS米の入札時期を前倒しし、輸入量を増やす提言を公表。舟山氏は「一体何を守ろうとしているのか。まるで正反対の方向を向いている」と憤った。
「危機に備えて輸入米を温存すべきタイミングで、別の省が拡大を進める――これでは政策に信頼が持てない」と舟山氏。江藤農水大臣は「財務省の動きは定例的なもの」と釈明したが、舟山氏は「閣議決定直後の発表が“偶然”とは到底思えない」と食い下がった。
漁業協裁の課題も直撃 小規模漁業者を置き去りにするな
舟山氏の追及は米だけにとどまらない。漁業災害補償制度、いわゆる漁業協裁の加入率の低さにも警鐘を鳴らした。
「特に小規模な漁業者が恩恵を受けづらい現状がある。加入のメリットをもっと伝えないと制度が形骸化する」と指摘。加えて、漁業収入安定対策(積立ぷらすと共済課金の上乗せ補助)が予算措置に頼っており、制度の“安定”が担保されていない点にも言及した。
「一時的な支援では経営は立ち行かない。法制化して持続性のある仕組みにすべきだ」と舟山氏。これに対し江藤大臣は「現場の声を大事にしたいが、法制化で柔軟性を失う懸念もある」と慎重姿勢を見せた。
魚を食べない国へ? 消費減退に危機感
さらに舟山氏は、日本の魚食文化の衰退にも強い懸念を示した。
「かつては“魚の国”だった日本が、いまや家庭の食卓から魚が消えつつある」と語り、水産物の栄養価や手軽に調理できる方法を積極的に伝える必要があると訴えた。
江藤大臣は「肉より高いと思われがちで、調理も敬遠されがちだ。DHAなどの栄養面やレンジ調理の簡便さをもっと伝えていく」と応じた。
政策に必要なのは“現場目線”
今回の質疑で浮かび上がったのは、省庁間の縦割りや、現場の実態と乖離した制度設計への不信感だ。舟山議員は、繰り返し「現場の声を聞いてほしい」と強調した。
「現場に届かない政策では、いくら理屈を並べても信頼されない。食料安全保障の要は“机上”ではなく、“現場”にある」と、彼女は締めくくった。
- 舟山議員は、MM米の限定活用とSBS米拡大の同時進行に「政策の整合性が崩壊している」と批判
- 漁業協裁の加入率向上や収入安定対策の法制化を訴え
- 魚介類消費減への危機感から、栄養価や調理の手軽さの発信を要請
- 「現場の声を無視した政策では国民の信頼は得られない」と問題提起