林芳正・片山さつき合意 暫定税率廃止の自治体減収を全額国費補填へ

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林芳正・片山さつき合意 暫定税率廃止の自治体減収を全額国費補填へ

2025年12月24日、林芳正総務相と片山さつき財務相は、地方税の軽油引取税の暫定税率廃止と、車取得時にかかる地方税の環境性能割の廃止に伴う2026年度の自治体減収分を、地方特例交付金で国が全額補填することで合意しました。

合意の中身と「暫定」税の位置づけ


2025年12月24日、林芳正総務相と片山さつき財務相は、地方税の軽油引取税の暫定税率廃止と、車取得時にかかる地方税の環境性能割の廃止に伴う2026年度の自治体減収分を、地方特例交付金で国が全額補填することで合意しました。

軽油引取税は主に都道府県の税収で、物流を含む軽油利用が広いほど税収が立ちやすい性格がありますが、暫定税率の上乗せ分まで当たり前の前提にすると、廃止局面で財源の穴がそのまま露出します。

暫定税率は本来、期限付きの上乗せ税で、ガソリンは1リットル当たり25.1円、軽油は1リットル当たり17.1円に相当します。

ガソリンは2025年12月31日、軽油は2026年4月1日に暫定税率を廃止する方針が示されており、廃止そのものよりも「誰が減収を負担するのか」が政治の焦点になっています。

道路整備の財源として1974年に始まった仕組みが、名称を変えながら長く残り、いまや家計や事業者にとって「暫定なのに恒久」の象徴になってきました。

環境性能割は2019年に自動車取得税の代替として導入された取得時課税で、燃費などの性能に応じて税率が変わり、一般に登録車で0~3%、軽自動車で0~2%の範囲で課されます。

取得時課税は景気や買い替え動向の影響を受けやすく、地方側にとっては安定財源として扱いにくい一方、廃止されると減収が一気に表面化します。

「全額国費で穴埋め」がつくる逆転現象


暫定税率の廃止や環境性能割の廃止は、物価高の下で家計や物流コストを下げる減税として評価できますが、減収を国費で“全額”埋める設計にすると、負担の主体が地方から国へ移るだけで、国民負担が消えるわけではありません。

国の支出は国税か国債で賄われるため、結局は別の税負担や将来負担として跳ね返り、減税の効果が相殺されやすくなります。

ここで厄介なのは、暫定税率を「暫定のまま廃止する」議論が、いつの間にか「廃止しても支出はそのまま、国が帳尻を合わせる」議論にすり替わりやすいことです。

「暫定のはずが半世紀も続いた時点で、政治の説明が足りない」
「減税は賛成だけど、穴埋めで国債を積むなら意味が薄い」
「地方の税を国が補うと、地方は歳出を見直さなくなる」
「“暫定”を恒久扱いしたツケを国民に回さないでほしい」
「まず無駄な事業を止めてから、足りない分だけ議論して」

地方特例交付金は国の制度変更で地方税が減るときに減収を補う目的で使われてきましたが、頻繁に頼るほど「地方の税制が国の予算で支えられる」構図が強まります。

税は本来、負担と受益の関係が見えるほど納得を得やすいのに、交付金が増えるほど責任の所在が曖昧になり、政治の説明が薄くなります。

暫定を恒久財源にした側の責任


本来は暫定税率のような上乗せ税を恒久財源のように組み込み、通常の予算運営に組み入れてきたこと自体が問題の核心です。

暫定を前提に制度設計するなら、廃止時にどの事業を縮めるのか、どこまでを利用者負担に戻すのかを、あらかじめ国と地方の双方が示すべきでした。

それをせずに「暫定を廃止します、ただし減収は国が埋めます」と言えば、暫定税率を恒久財源として扱ってきた誤りを、国民全体の負担へ付け替えるだけになります。

しかも、国費補填は一度始まると、次の制度変更でも同じ要請が繰り返されやすく、結果として財政規律を弱めます。

減税を本物にするための条件


国が地方の減収を全額補填するという発想は、減税の政治的コストを見えにくくし、結果として別の増税や「新たな負担」に置き換える誘惑を強めます。

減税を本物にするには、暫定税率や取得時課税に頼っていた歳出を優先順位で仕分けし、削るべき事業は削り、残す事業は目的と財源を国民に説明するしかありません。

同時に、暫定税率のような“期限付きのはずの税”には、廃止時の歳出調整まで含めたルールを置き、恒久化の抜け道を塞ぐ必要があります。

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2025-12-24 14:03:27(藤田)

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