2025-04-29 コメント投稿する ▼
港区・清家愛区長「お台場を日本のハワイに」国際都市構想と文化保護を推進
お台場を「日本のハワイ」に 清家愛区長、国際都市づくりに意欲
東京都港区の清家愛区長がこのほど産経新聞のインタビューに応じ、区の将来構想を語った。就任から1年。国際都市としての港区の魅力向上を目指し、お台場をリゾート地「日本のハワイ」に育てる考えを打ち出した。また、公立中学校のシンガポール修学旅行継続や、外国人家庭へのホームステイ事業など、国際感覚を養う取り組みも本格化させる。
お台場リゾート化構想 泳げる海を目指して
清家区長が目指すのは、お台場を「日本のハワイ」として生まれ変わらせることだ。
「砂浜もホテルもショッピングセンターもそろっている。あとは水質さえ改善できれば」と意欲をみせる。
現在、お台場の海水浴は禁止されているが、区ではパリ市と連携し、トライアスロン競技で話題になったセーヌ川の水質改善にも取り組んでいる。
「お台場も、セーヌも、都市の海や川で泳げる未来を目指したい」と清家区長。都が計画する巨大噴水の整備にも期待を寄せ、「注目が集まれば、水質改善への機運も高まる」と話す。
さらに、芝浦地区の美化にも力を入れ、水上バスやおしゃれなカフェが立ち並ぶ「日本のベネチア」化構想も温めているという。
米軍基地返還を求める六本木・麻布の課題
港区が抱える大きな課題の一つが、六本木の赤坂プレスセンター(米軍基地)の存在だ。
清家区長は「米軍ヘリが頻繁に飛び交い、区民の安全と安心が脅かされている」と訴える。特に、羽田空港の新飛行ルートと基地上空が重なることで「リスクは高まっている」と危機感を示す。
防衛政策自体は国の管轄だが、「都心のビル群の中に基地がある状況は健全ではない」として、引き続き返還を求める方針だ。
国際教育の推進 シンガポール修学旅行やホームステイ
国際都市を標榜する港区らしく、教育分野でもグローバル化を加速させる。
区立中学校では、英語圏であるシンガポールへの修学旅行を継続。移動の負担が少なく、治安も良好な点が評価されている。現地での学びをさらに充実させる取り組みも進めていく考えだ。
加えて今年度からは、区内の外国人家庭に18歳以下の区民をホームステイさせる新事業「MINATOまるごと留学」がスタート。言葉や文化の壁を越えたリアルな国際体験を提供する。
「英語のネイティブティーチャーも全ての幼稚園・保育園に配置しています。子どもたちには自然な形で異文化に触れてほしい」と清家区長は語った。
伝統文化も守り、国際都市へ
一方で、国際化を推進しながらも、日本の伝統文化を大切にする姿勢も崩さない。
高輪ゲートウェイシティの開発では、明治時代の鉄道遺構「高輪築堤」が発掘され、国際的にも注目を集めた。さらに、増上寺の仏教聖典叢書がユネスコの「世界の記憶」に登録された。
今年度からは、文化財公開や活用を支援する補助金制度も新設。赤坂氷川祭の山車人形のレプリカ作成などにも活用される見込みだ。
清家区長は「日本の文化をしっかり守りながら、世界に開かれた港区を作りたい」と意気込みを見せた。
- お台場を「日本のハワイ」に、泳げる海を目指して水質改善
- 六本木・赤坂プレスセンターの米軍基地返還を引き続き要請
- 国際教育推進、シンガポール修学旅行とホームステイ事業を実施
- 伝統文化保護と国際化を両立、文化財保護奨励金を創設