2025-03-12 コメント投稿する ▼
竹富町、訪問税を船賃上乗せで徴収断念 独自徴収へ転換
■船会社との協議、難航
町は昨年2月から船会社と協議を進めてきた。昨年12月には、八重山観光フェリー、安栄観光の両社長と前泊正人町長らが会合を開き、導入にかかるシステム改修費や事務費などについて説明した。しかし、船会社側は「訪問税の導入自体には反対しないが、船賃に上乗せして徴収する形には協力できない」との姿勢を示した。
その後、石垣島ドリーム観光と第一航空を含めた4社に最終確認を行ったが、第一航空を除く3社からは「協力できない」との回答を受けた。
■独自徴収へ、準備進む
こうした状況を受け、竹富町は独自徴収に向けた準備を進めることを決定。
新城賢良税務課長は「徴収漏れを防ぎ、来訪者の負担をできるだけ抑えることが重要」と述べ、具体的な徴収方法として以下の選択肢を検討している。
- インターネットでの事前納付
- ユーグレナ石垣港離島ターミナル内のQRコード対応券売機での納税
- フェリー乗船前のチェック
ただ、ターミナル内にゲートを設置する案については、塩害や台風の影響を考慮すると「厳しい」とし、「簡易的なQRコード決済を活用したチェック体制を整えたい」との考えを示した。
■スムーズな徴収へ課題も
一方で、上勢頭町議は「現在でもQRコード式の乗船券を使う際に混雑が発生している」と指摘し、スムーズに納税・乗船できる制度設計の必要性を強調した。
また、竹富島ではすでに入島料が徴収されているが、訪問税と同時徴収する案については、通事太一郎自然観光課長が「目的が異なるため、現時点では難しい」との見解を示した。
訪問税の導入に向けて、竹富町は今後も具体的な運用方法を詰めていく方針だ。