2025-11-04 コメント投稿する ▼
新垣邦男衆院議員が社民党離党へ 党勢拡大対立で衆院唯一議員が去る
10月31日に離党届を郵送したとしており、社民党の衆院唯一の議員が党を去ることになれば、国会での党の発言力は一層弱まることになります。 党の談話でも、新垣氏の離党について「極めて残念」としつつ、「社民党は軍拡・改憲・人権抑圧の政策に全力で立ち向かわなければならない」という強い決意を表明しています。 新垣氏の離党により、社民党の衆院議員は0人になります。
党と議員の方針不一致が原因
社会民主党副党首の新垣邦男衆院議員(沖縄2区選出)は2025年11月2日、沖縄県宜野湾市で記者会見を開き、同党からの離党を表明しました。10月31日に離党届を郵送したとしており、社民党の衆院唯一の議員が党を去ることになれば、国会での党の発言力は一層弱まることになります。新垣氏は2021年の衆院選で故照屋寛徳氏の後継として初当選し、2022年から副党首を務めてきました。
新垣氏が離党を決意した最大の理由は、党勢拡大を巡る党内方針の相違にあります。新垣氏は、国会内での議席を増やすため、参院比例代表で当選している福島瑞穂党首に衆院への「くら替え出馬」を繰り返し求めてきました。新垣氏の会見によると、この提案は党首ら執行部に受け入れられず、話し合いが進みませんでした。新垣氏は「社民党の党勢拡大をしていきたいという思いを持っていたが、その思いがかみ合わなかった」と述べました。
当初、新垣氏は9月下旬に離党届を提出しましたが、福島党首らに慰留され、その後は党の方針を再考する流れになっていました。ところが10月20日に党首らとの三者会談で、衆院選への転戦を改めて求めても受け入れられず、最終的に10月31日に郵送での離党届提出に至った経緯があります。社民党は、離党届の提出手続きについても、沖縄県連への提出を経由せず全国連合に直接郵送された点に対し「党規約に違反している」との立場を示しています。
参院選での「崖っぷち」からの復活
新垣氏が党から去ろうとする時期は、皮肉にも社民党が存続の危機を辛うじて脱した直後です。2025年7月の参院選では、タレント・俳優のラサール石井氏が比例代表から初当選し、社民党は比例代表で得票率2.06%を確保しました。これにより、政党要件である得票率2%以上をクリアし、政党としての地位を維持することができました。
ラサール石井氏が獲得した個人名票は約20万票に上り、この票がなければ政党要件は失われていたとも指摘されています。社民党内では、参院選での福島党首の改選議員としての活動実績も評価され、下野中の自民党との関係改善を含む新しい戦略が模索されていました。しかし、こうした党内の改革の動きの中でも、新垣氏が抱いていた衆院議席増強への道筋は見いだせないままでした。
高市政権発足で対立構図がより鮮明に
新垣氏の離党表明は、高市早苗首相が10月21日に就任して間もない時期に表明されました。高市政権は日本維新の会と連立を組み、憲法改正・軍事力強化・人権分野の規制強化を政策の軸として掲げています。これは、平和憲法擁護と反戦を掲げる社民党の価値観と正面から対立する構図です。
新垣氏も記者会見で「右翼政権と言っていい高市政権が発足し、軍拡・改憲・人権抑圧の政策に立ち向かわねばならない時期だからこそ、党勢拡大が急務だった」という趣旨の発言をしています。党の談話でも、新垣氏の離党について「極めて残念」としつつ、「社民党は軍拡・改憲・人権抑圧の政策に全力で立ち向かわなければならない」という強い決意を表明しています。
沖縄の政局に波紋
新垣氏の離党により、社民党の衆院議員は0人になります。参院議員はラサール石井氏と福島瑞穂党首の2人のみとなります。新垣氏が離党後は、当面無所属として活動し、国会では立憲民主党との会派に所属する予定としています。
沖縄県では、米軍基地問題と平和政策に取り組む「オール沖縄」勢力の一翼として、社民党は重要な役割を果たしてきました。デニー知事も率先する反戦平和の政治風土が強い沖縄において、社民党の唯一の衆院議員が党を去ることは、同勢力の政治的影響力にも少なからぬ影響をもたらします。新垣氏は記者会見で「今後もオール沖縄勢力には属する考え」を示していますが、党員資格を失うことで、沖縄の政治地図も微妙に変わっていく可能性があります。
社民党の今後の課題
社民党は、前身の社会党結成から2025年で80年を迎え、記念レセプションも予定されていました。しかし、唯一の衆院議員の離党という重大な局面に直面しています。社民党は本文の談話の中で、新垣氏に対して「今後とも沖縄の皆さんとともに闘っていく」という強い決意を表明していますが、実際には党勢の縮小に向き合わざるを得ない状況です。次の衆院選に向けて、如何にして衆院議席の奪還を目指すのか、あるいは参院選での議席確保に経営資源を集中させるのかなど、組織的な立て直しが急務となっています。