2025-12-19 コメント投稿する ▼
朝鮮人戦没者遺骨返還、政府の冷淡対応に批判集中 戦後80年目前でも解決見えず
戦後80年を迎えようとする今、朝鮮人戦没者の遺骨返還問題が重大な人道課題として浮上しています。2024年12月19日、厚生労働省と外務省に対して遺族や市民団体が強く遺骨返還を求める申し入れを行いましたが、日本政府の対応は極めて冷淡で、この問題の深刻さが改めて浮き彫りになっています。
浮島丸事件と朝鮮人戦没者の現状
1970年、遺骨は厚生省から東京都目黒区の浄土宗祐天寺に移管された。2008年1月から2010年5月まで4回にわたり他案件の死亡者も含めた遺骨が韓国に返還されたが、北朝鮮には1柱も返還されていない。現在280柱が同寺に安置され、事件後の1954年から毎年追悼会が営まれている状況です。
浮島丸事件は1945年8月24日に発生した悲惨な海難事故で、強制連行されていた多数の朝鮮人を乗せた船が舞鶴沖で爆発・沈没し、524名の朝鮮人が犠牲になったとされています。しかし、実際の犠牲者数については韓国側では数千人規模と考えられており、真相は今も不明のままです。
「遺骨がずっと日本にあるなんて、おかしいでしょ」
「韓国は日本人の遺骨を返してくれたのに、なぜ日本は返さないの?」
「戦後80年も経って、まだ家族のもとに帰れない遺骨があるなんて」
「政府は『答えは差し控える』ばかりで、本当に誠意がない」
「これは人道問題なんだから、政治とは分けて考えてほしい」
政府の不誠実な対応と遺族の訴え
申し入れ交渉で明らかになったのは、日本政府の極めて後ろ向きな姿勢です。「戦没者遺骨を家族の元へ」連絡会の上田慶司共同代表は、「何を聞いても『答えは差し控える』の繰り返しだ」と政府の対応を厳しく批判しました。
特に深刻な問題は、遺族が遺骨の鑑定に必要な親族のDNA試料の提供を申し出ているにもかかわらず、日本政府が受け入れを拒否していることです。この拒否の背景には、平成15年度より一定の条件を満たす場合に、希望する遺族とのDNA鑑定を実施しているとする制度がありながら、朝鮮人戦没者については例外的な扱いをしていることがあります。
韓国との対照的な姿勢
太平洋戦争被害者補償推進協議会の金英丸さんは、重要な指摘をしています。日本政府が済州島など韓国国内で日本人戦没者の遺骨を収容し、韓国政府も日本への帰還を認めてきたにもかかわらず、日本は韓国に対して同様の対応を取っていません。
これについて金さんは「韓国は日本人遺骨を返しているのに、なぜ日本は韓国に遺骨を返還しないのか。日本政府はあれこれ言って何もしようとしない」と述べ、日本政府の姿勢は「人道に反する」と厳しく批判しました。
山添議員の問題提起と歴史的背景
この申し入れに参加した日本共産党の山添拓参院議員は、遺骨返還を「日本が国家の責任として対応しなければならない問題」だと明言しました。戦争に動員され、戦犯の罪を負わせ、日本が主権を回復した後は、戦犯に対する刑の執行も、本来韓国政府などに渡すべきだったのに日本側が持ち続けたという歴史的経緯があります。
山添議員はこれまで国会でも、朝鮮半島出身のBC級戦犯への差別的扱いについて追及してきました。旧植民地の出身者は戸籍法ではなく、外地戸籍令の登録者でした。日本人と異なる扱いをしていました。それは植民地だという差別意識の反映であり、徹頭徹尾差別的な扱いをしてきたと指摘しています。
解決への道筋と今後の課題
遺骨奉還宗教者市民連絡会の殿平善彦さんは「戦後80年を過ぎてもなお、遺骨の遺族への返還が進まない現実に焦りと怒りを覚える」と述べ、「遺骨返還に全力を挙げる時だ」と強く訴えました。
山添議員は「遺骨それぞれに帰りを待っている方がいる。一刻も早い対応をお願いしたい」と政府に迫りましたが、これまでの政府答弁は超党派の日韓議員連盟において元BC級戦犯及びその遺族に対する特別給付金の支給を内容とする議員立法が議論されているふうに承知しているとして、具体的な行動は示していません。
現在も東京都目黒区の祐天寺に280柱の朝鮮人戦没者の遺骨が安置されており、この問題の一刻も早い解決が求められています。戦後80年という節目を前に、日本政府には歴史と向き合う誠実な姿勢が問われています。