2025-08-19 コメント投稿する ▼
TICAD9横浜で開幕 観光デスク設置でシティーセールス強化、国際都市ブランド向上へ
TICAD9横浜で開幕 観光デスク設置でシティーセールス
第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が20日、横浜市で始まる。ホスト都市の横浜市は19日、会場のパシフィコ横浜に観光デスクを開設し、参加者を対象にシティーセールスを展開する。観光名所や飲食店を紹介し、滞在中に横浜の魅力を発信する取り組みだ。
横浜市がTICADを迎えるのは2008年、2013年、2019年に続き4回目。市は「アフリカに一番近い都市」を掲げ、国際会議を通じて都市ブランドを高める戦略を続けてきた。観光デスクには市内観光地のパンフレットや地図を用意し、職員が窓口で案内。市内各局から選抜された26人が交代で対応する。19日には早速、コートジボワールから訪れた参加者が水族館への行き方を尋ねる場面もあった。
「国際会議を観光PRに結びつけるのは賢いやり方だ」
「ただの観光案内で終わらず、経済交流につなげてほしい」
「アフリカとのつながりを深める好機だ」
「横浜の顔をどう見せるかで印象が変わる」
「この機会に地元経済にも還元してほしい」
全庁態勢での取り組み
観光デスクを担当するのは国際局だけでなく区役所からも人員を出す全庁態勢。横浜市の国際局グローバルネットワーク推進課は「これほどの機会はない。横浜にいい印象を持って帰っていただきたい」と意気込みを語る。国際会議の参加者は政府関係者や企業人が多く、横浜に対する印象が長期的な都市の評価や経済交流につながる可能性が高い。
市は観光や文化施設のPRに力を入れており、三渓園やシルク博物館などの伝統的な施設に加え、横浜赤レンガ倉庫やみなとみらい周辺といった新しい観光資源も積極的に発信している。市民や観光業界にとっても、国際的な都市イメージを築く契機となる。
国際交流のチャンスと課題
アフリカ開発会議は日本が主導する国際会議で、経済協力や開発支援の場として知られてきた。しかし、援助一辺倒では「ポピュリズム外交」との批判もつきまとう。日本がアフリカと真のパートナー関係を築くためには、支援の実績や成果を明確にし、日本の国益につなげる説明責任が求められる。
横浜市にとっても、単なる観光PRにとどまらず、企業交流やビジネス投資の契機に結びつけることが重要だ。国際会議を都市経営の一部として活かせるかどうか、その手腕が試される。
横浜のブランド力強化へ
今回の観光デスク設置は、国際会議を地元の利益と都市のイメージ戦略に直結させる取り組みである。アフリカ諸国の要人や関係者が集まる場は、観光だけでなくビジネス、文化交流にも波及効果をもたらす可能性がある。
国際都市を標榜する横浜市にとって、TICAD9は都市のブランド力を高める試金石となる。観光PRを入り口に、国際交流をいかに継続的な成果に結びつけるかが今後の課題だ。