2025-04-20 コメント: 1件 ▼
沈黙は交渉の武器 牧原秀樹氏、赤沢大臣と石破政権に「国益最優先」の交渉姿勢を期待
交渉の本質は「沈黙」にあり 牧原秀樹氏、赤沢大臣の訪米交渉にエール
牧原秀樹氏は21日、自身のX(旧Twitter)で、赤沢亮正経済再生担当大臣の訪米とその交渉方針について、「評論がなされているが、大切なのは“無視”すること」と投稿し、外交交渉の核心は“結果”にあるとの持論を展開した。
「交渉では最終結果をきちんと得ることが全てで、その間の交渉は途中経過にすぎず、その内容や手法、戦略は明らかにすべきではありません」
牧原氏は、外交や経済交渉における過程の透明性を過度に求める世論やメディアの動きに一定の距離を置くべきだと主張している。あくまで交渉の本質は「国益の最大化」であり、そのためには“沈黙と根回し”が重要だという立場だ。
赤沢大臣の訪米背景と交渉の焦点
今回の赤沢大臣の訪米は、日米経済協議の一環として行われ、特に米国側が日本の電気自動車(EV)政策や非関税障壁と見なす技術基準の緩和を要求していることが背景にある。トランプ政権が掲げる「アメリカ第一主義」の再来とも言える姿勢に、日本側がどう応じるかが注目されている。
とりわけ問題視されているのが、日本のEV充電規格や安全基準、補助金制度などで、米国メーカーが日本市場での競争に不利と感じる要素が「交渉カード」として突きつけられている。こうした状況に対して、石破政権の外交方針や交渉スタイルも試されている。
「利害当事者との根回し」重視
牧原氏は投稿の中で、「根回しは必要だが、利害当事者に対してであってマスコミや時々の世論ではない」と指摘し、政治家が交渉過程での情報発信を控えるべきだとの認識を示した。これは、交渉相手国に不要なカードを渡すことを防ぐという意味合いも込められているとみられる。
また同氏は、自らも「専門家、経験者として内々お話ししたい」と述べ、裏方としての助言提供の意向も示している。過去に内閣府副大臣や外務政務官などを歴任し、外交・経済分野に一定の知見を持つ牧原氏ならではの視点と言える。
石破政権への信頼と期待
牧原氏は、赤沢大臣と石破政権に対して、「正々堂々国を代表して最大の国益を勝ち取って欲しい」とも呼びかけている。これは、交渉の過程に揺さぶりをかける内外の雑音に惑わされず、冷静にそして戦略的に交渉を進める姿勢を支持するメッセージだ。
経済交渉は結果がすべてであり、途中経過でのパフォーマンスや言質の切り取り合戦ではない――。牧原氏の発信は、改めて日本の外交交渉における“静かな強さ”の重要性を問う内容となっている。