2025-05-26 コメント: 4件 ▼
パンダは本当に必要?日本のパンダ外交に“もういらない”の声多数、ネットで賛否
パンダ外交に揺れる日本 返還後の再貸与に“冷めた視線”も
6月末、和歌山県のテーマパークで長年親しまれてきたジャイアントパンダ4頭が中国へ返還される。中国外務省の毛寧報道官は26日の会見で、日本への新たなパンダ貸与についての具体的な発言を避け、「日本の友人が中国を訪れ、パンダに会ってくれることを歓迎する」と述べた。しかし、肝心の新規貸与には言及がなく、期待していた関係者には肩透かしとなった。
“貸してもらう立場”に対する違和感
これに先立ち、超党派の日中友好議員連盟が北京を訪れ、中国側に新たな貸与を求めたとされるが、国民の間では「なぜそこまでして貸してもらわなければいけないのか」という疑問の声も上がっている。
ネット上では冷ややかな反応が目立ち始めている。
「別にパンダいなくても困らない」
「日本人にもっとお金使ってくれ」
「外交カードとして生き物を使うのはもう時代遅れ」
「パンダよりも中国に拘束されている邦人の帰国交渉を優先すべき」
「いつまで“パンダ外交”に踊らされるのか」
かつてはパンダの存在が日中友好の象徴とされていたが、国際情勢や人権問題など複雑な背景を前に、純粋に動物としての愛らしさだけでは語れない時代になっている。
“1頭あたり1億円超”の費用対効果
パンダの経済効果が大きいのは事実だ。特に東京・上野動物園で飼育されたシャンシャンは、関連商品や観光収入などで数百億円規模の効果をもたらしたとされている。一方で、中国に支払う年間の“レンタル料”は1億円以上。さらに、繁殖に成功した場合も生まれた子は中国の所有となる契約がほとんどで、日本側の実益は限定的との指摘もある。
加えて、動物園関係者からは「長期的に飼育や医療にかかるコストも高く、パンダに依存しすぎる展示はリスクが大きい」との声も上がっている。
今こそ“自立”の動物行政を
現在、日本国内で飼育されているパンダは上野動物園の2頭のみ。これらも2026年には返還予定だ。つまり、このまま新たな貸与がなければ、国内でパンダを見ることは一時的にできなくなる可能性がある。
だが、「それでもいい」という世論が着実に広がっている。日本にはニホンザルやツシマヤマネコ、オオサンショウウオなど貴重な固有種が数多く存在する。今こそ、そうした動物たちにもっとスポットを当て、日本独自の自然や生態系への理解を深める機会とすべきではないかという声もある。
動物を超えたメッセージ
パンダは単なる可愛い動物ではなく、国際関係の象徴でもある。だからこそ、その貸与には政治的メッセージが込められている。そしていま、多くの国民が“貸してもらう”ことへの違和感を覚え始めている。
今後、日中関係の在り方だけでなく、日本が独自の視点でどんな動物行政を目指すのか、その姿勢も問われている。