絆HD27億円不正受給で障害者支援制度の闇が露呈 大阪市が監査開始

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絆HD27億円不正受給で障害者支援制度の闇が露呈 大阪市が監査開始

大阪市は絆HDが関係する「就労継続支援A型」の5事業所について障害者総合支援法に基づく監査を開始しており、不適切な受給とみて返還請求を検討しています。 にもかかわらず、その後も制度の悪用を継続し、2024年度以降だけで約27億円もの過大受給に及んでいたとされており、行政指導の実効性が問われる事態となっています。

絆ホールディングスが障害者就労支援で27億円過大受給 制度悪用し「再雇用」繰り返す

大阪市に本社を置く福祉関連会社「絆ホールディングス(HD)」傘下の事業所が、障害者就労支援の給付金を過大に受け取ったとされる問題で、横山幸英大阪市長は2025年11月6日、記者団に「適正、厳正に対処していく」と語りました。2024年度以降の受給額が約27億円に上ることも同日判明し、制度を悪用した手法の悪質性が浮き彫りになっています。

大阪市は絆HDが関係する「就労継続支援A型」の5事業所について障害者総合支援法に基づく監査を開始しており、不適切な受給とみて返還請求を検討しています。この問題は障害福祉制度の根幹を揺るがす重大事案として注目を集めています。

制度の抜け穴を悪用した手口


就労継続支援A型事業所は、就労が困難な障害者に働く場や訓練を提供する重要な制度です。利用者がA型事業所から一般企業に移って6カ月以上働くと、事業所への給付金が加算される「就労移行支援体制加算」という制度があります。

関係者によると、絆HDはこの制度を巧妙に悪用していました。A型で働く利用者をグループ内でデータ入力などに携わらせて「一般就労」の形に転換し、6カ月以上経過後にA型に戻し、その後再び一般就労に移行させることを繰り返していたのです。

絆HDの役員が理事を務むNPO法人が運営する「リアン内本町」と子会社が運営する「レーヴ」「リベラーラ」(いずれも大阪市)の3事業所で、このような「就労切り替え」を繰り返していたとされています。厚生労働省は2024年度報酬改定で、同じ利用者について過去3年間で加算を複数回算定することは原則想定していないとする「3年ルール」を設けていましたが、それ以前から続いていた手法でした。

過去にも指導受けながら継続


さらに深刻なのは、絆HDが過去にも不適切な受給で指導を受けていたことです。2023年1月には大阪市から「定員超過」を改善するよう指導を受け、過去3年で1億2,000万円以上の過大受給となっていたことが明らかになっています。

にもかかわらず、その後も制度の悪用を継続し、2024年度以降だけで約27億円もの過大受給に及んでいたとされており、行政指導の実効性が問われる事態となっています。

「仕事内容は同じなのに、雇用契約だけころころ変わって何の意味があるのか分からなかった」
「就労移行の支援といっても、何の指示も研修もなかった。ただ書類上の手続きをされただけ」
「本当に障害者の支援になっているのか疑問だった。お金目当てとしか思えない」
「給料は同じなのに契約形態だけ変えられて、振り回された気分だ」
「制度を悪用するなんて許せない。真面目にやっている事業所に迷惑をかけている」

元利用者からは、実質的に同じ仕事をしているにもかかわらず契約形態だけを変更される不可解な運営への疑問の声が上がっています。

制度の構造的問題が浮き彫りに


今回の事件は、就労継続支援制度そのものの構造的問題も浮き彫りにしています。実績数値だけを追いかける制度設計により、真の障害者支援よりも給付金獲得が目的化してしまう事業者が生まれる土壌があります。

厚生労働省と地方自治体の監督体制も機能不全を露呈しています。国は「福祉分野の監督は自治体の所管」と言い、自治体は「国の制度設計の問題」として責任の押し付け合いが続いており、実効性のある監視体制が構築されていないのが現状です。

就労継続支援A型事業所は近年急速に増加しており、2015年の2,995事業所から2022年には4,323事業所と1.4倍に拡大しています。参入障壁の低さと給付金制度により「福祉ビジネス」として位置づけられがちですが、本来の目的は障害者の自立支援であることが忘れられつつあるとの指摘もあります。

行政対応と今後の課題


絆HDは「事実確認を行い、対応していく。今後も法令を順守の上、障害のある方々の自立支援・就労支援に真摯に取り組んでいく」とコメントしていますが、過去の指導歴を考慮すると信頼性に疑問符が付きます。

大阪市は今回、5事業所について本格的な監査を実施しており、返還請求だけでなく事業所指定の取り消しも視野に入れているとみられます。総額27億円という過大受給は制度発足以来最大規模とされており、刑事告発の可能性も取り沙汰されています。

制度改革の必要性も高まっています。専門家は「加算金を成果ではなく支援の継続性・質で評価すること」「自治体任せではない国による抜き打ち調査・実地検証の実施」「不正事業者への刑事告発・再参入禁止の明確化」などの抜本的改革を求めています。

真の障害者支援への立ち返りが急務


この事件により、障害福祉制度全体への信頼が損なわれる危険性があります。真面目に障害者支援に取り組んでいる多くの事業所にとっても深刻な問題です。

障害者の尊厳と自立を支えるという制度本来の目的を取り戻すために、実績主義から質重視への転換、監督体制の強化、悪質事業者の徹底排除が急務となっています。国民の税金が適正に使われ、真に障害者の役に立つ制度への抜本的見直しが求められています。

絆HDの事件は氷山の一角である可能性も指摘されており、同様の手法を用いている他の事業者についても徹底的な調査が必要との声が高まっています。

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2025-11-07 09:16:51(植村)

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