絆ホールディングスが20億円超の給付金不正受給 障害者を制度上の駒として悪用し雇用キャッチボール

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絆ホールディングスが20億円超の給付金不正受給 障害者を制度上の駒として悪用し雇用キャッチボール

同社は就労継続支援A型事業所の制度を悪用し、グループ内で障害者を「利用者」と「職員」の間で繰り返し移動させることで、本来は一般企業への就職実績に対して支払われる加算金を不正に受け取っていたとされています。 絆ホールディングスはこの制度を悪用し、A型事業所で働く利用者をグループ内の別会社で「スタッフ」として雇用し、これを「一般企業への就職」として行政に報告していました。

大阪市の福祉関連会社「絆ホールディングス」が運営する障害者就労支援事業所において、2024年度以降だけで20億円以上の給付金を過大受給していた疑いが2025年11月に発覚し、大阪市が障害者総合支援法に基づく監査に入りました。同社は就労継続支援A型事業所の制度を悪用し、グループ内で障害者を「利用者」と「職員」の間で繰り返し移動させることで、本来は一般企業への就職実績に対して支払われる加算金を不正に受け取っていたとされています。

この事件は、障害者福祉制度の根幹を揺るがす悪質な詐欺事件として注目を集めており、制度設計の甘さと監督体制の不備が浮き彫りになっています。過去にも定員超過による1億2000万円以上の過大受給で指導を受けていたにもかかわらず、より巧妙な手法での不正が継続されていたことも判明しています。

グループ内で「雇用のキャッチボール」を繰り返す手口


絆ホールディングスの不正手口は極めて巧妙かつ悪質なものでした。同社は大阪市内で複数の「就労継続支援A型事業所」を運営しており、そこでは障害者が事業所と雇用契約を結んで働きながら、就労に向けた支援を受けています。

通常、A型事業所の利用者が一般企業に就職し、6か月以上継続して働くと、就労移行支援体制加算という成功報酬が事業所に支払われる仕組みになっています。この加算金は就職した本人分だけでなく、その事業所に在籍する全利用者分の報酬単価にも上乗せされるため、一人の就職者が出ると事業所の収入は大幅に増加します。

絆ホールディングスはこの制度を悪用し、A型事業所で働く利用者をグループ内の別会社で「スタッフ」として雇用し、これを「一般企業への就職」として行政に報告していました。6か月の雇用期間が終わると、その利用者を再びA型事業所の「利用者」として戻し、その後また別のグループ会社で「就職」させるという雇用のキャッチボールを繰り返していたのです。

「同じ仕事をしているのに、利用者と職員を行ったり来たり」
「グループ会社への就職って、本当の就職と言えるの?」
「20億円もの税金が無駄遣いされていたなんて許せない」
「障害者を金儲けの道具にするなんて最低だ」
「制度の穴を突いた悪質な詐欺行為だ」

関係者によると、この手法により同一利用者が複数回にわたって「就職実績」として計上され、その都度加算金が支払われていました。厚生労働省は2024年度に制度改正を行い、同じ利用者について過去3年間で加算を複数回算定することを原則禁止する「3年ルール」を設けましたが、事業者はその後も不正請求を継続していたとされています。

対象事業所は5つ、過去にも指導歴あり


今回の監査対象となっているのは、絆ホールディングスの役員が理事を務めるNPO法人が運営する「リアン内本町」と、子会社が運営する「レーヴ」「リベラーラ」の3事業所です。さらに、関連する2つの事業所も含めて合計5つの事業所が調査対象となっています。

MBSが入手した資料によると、絆ホールディングスは2023年1月にも大阪市から指導を受けていました。グループ内の3つの事業所で利用者の「定員超過」が問題となり、過去3年間で1億2000万円以上の過大受給があったことが発覚していたのです。

しかし、この指導を受けた後も同社は不正行為を停止せず、より巧妙な手法で制度を悪用し続けていました。今回発覚した20億円超の過大受給は、過去の指導を受けた後に行われたものであり、常習的かつ確信犯的な不正行為であることが明らかになっています。

元利用者の証言によると、「仕事内容は同じで、何の指示もなかった」とのことで、実質的な就労支援や職業訓練は行われておらず、単に書面上の地位を変更するだけの形式的な手続きだったことがうかがえます。

制度設計の甘さと監督体制の不備が露呈


この事件は、障害者就労支援制度そのものの構造的な問題を浮き彫りにしています。現行制度では、就職実績に応じて加算金が支払われる仕組みになっていますが、就職先が事業者のグループ会社であっても「一般就労」として認定されるという致命的な欠陥がありました。

また、監督体制の不備も深刻な問題です。厚生労働省と地方自治体の間で監督責任が曖昧になっており、「福祉分野の監督は自治体の所管」「国の制度設計の問題」と責任のなすりつけ合いが行われています。その結果、20億円という巨額の不正が長期間にわたって見過ごされる事態となりました。

専門家は「実績主義の加算構造が企業の不正を誘発している」と指摘しています。現在の制度では、支援の質や継続性よりも報告書上の数字が重視されるため、形式的な実績作りに走る事業者が後を絶たない状況です。

制度を監督する大阪労働局は「この制度を作った厚労省も、大阪労働局も、支援実績という数字だけを追いかける仕組みにしていたから」このような不正が起きたと分析されています。人が成長したか、真に就職できたかなどの中身よりも、報告書上の数字こそが国の実績として扱われてきた結果、このような事態を招いたのです。

障害者を「制度上の駒」として扱う冷酷なビジネス


最も深刻な問題は、この不正行為が障害者の尊厳を踏みにじるものであることです。絆ホールディングスは障害者を「助ける対象」ではなく、「制度上の駒」として扱い、金儲けの道具にしていました。

就労継続支援A型事業所は、一般企業での就労が困難な障害者に働く場と訓練を提供し、最終的には一般企業への就職を目指すという崇高な理念の下に設立された制度です。しかし、絆ホールディングスはこの理念を完全に踏みにじり、障害者の自立支援という名目で税金を食い物にしていたのです。

利用者にとっても、本当の意味での就労支援や職業訓練を受ける機会が奪われ、形式的な地位変更を繰り返すだけの無意味な期間を過ごすことになりました。これは障害者の社会参加や自立を阻害する行為であり、福祉の理念に真っ向から反するものです。

同社の事業構造を見ると、福祉という名の「利益産業」と化している現実が見えてきます。国や自治体の助成金・補助金を主な収入源とし、障害者を収益の源泉として位置づける冷酷なビジネスモデルが構築されていました。

大阪市は返還請求を検討、刑事告発の可能性も


大阪市は現在、障害者総合支援法に基づく監査を実施しており、不適切な受給と判断した場合は全額の返還請求を行う方針を示しています。20億円を超える巨額の返還請求となれば、同社の経営に重大な影響を与えることは避けられません。

また、この事件の悪質性を考慮すれば、民事的な返還請求だけでなく、詐欺罪での刑事告発も検討される可能性があります。公金を騙し取る行為は重大な犯罪であり、関係者の刑事責任も問われるべきです。

絆ホールディングスは取材に対し「事実確認を行い、対応する。今後も法令を順守の上、障害者の就労支援に真摯に取り組む」とコメントしていますが、過去の指導歴と今回の不正の規模を考慮すれば、同社の事業継続そのものが疑問視される状況です。

抜本的な制度改革が急務


この事件を受けて求められるのは、単なる「再発防止策」ではなく、制度全体の抜本的な見直しです。以下の改革が急務とされています。

まず、加算金の評価基準を「成果」から「支援の継続性・質」に転換することです。就職実績の数だけでなく、利用者の能力向上や社会参加の度合いを総合的に評価する仕組みに変更する必要があります。

次に、行政監査を自治体任せにせず、厚生労働省が抜き打ち調査・実地検証を定期的に行う体制を構築することです。また、就職先が事業者のグループ会社である場合は「一般就労」として認定しない明確なルールの策定も必要です。

さらに、不正事業者への刑事告発・再参入禁止を明確化し、返還請求を「検討中」で終わらせず、責任者個人にまで踏み込んだ厳格な処分を行うことが重要です。

国民が納めた税金は障害者の真の支援のために使われるべきであり、制度の悪用で儲ける者を放置することは、行政の職務放棄に他なりません。今回の事件を機に、障害者福祉制度の信頼回復に向けた徹底的な改革が求められています。

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2025-11-05 17:58:32(くじら)

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