2026-01-27 コメント投稿する ▼
南あわじ市パークアンドライド渋滞策、観光公害の経済損失も焦点
さらに、高速バスの停留所と新駐車場の間にも別のシャトルバスを走らせ、マイカー以外の来訪を増やす狙いがあります。 南あわじ市のパークアンドライドは、観光を止めずに渋滞を抑える現実的な手段になり得ます。 例えば、駐車場の回転率、平均待ち時間、渋滞の発生回数、苦情件数、清掃や警備の追加支出などを定点観測し、観光の純益を見える化する必要があります。
南あわじ市がパークアンドライドを軸に渋滞対策
兵庫県南あわじ市は、大鳴門橋周辺の交通渋滞対策としてパークアンドライドの導入と公共交通の利用促進を進め、2026年度から新たな駐車場整備に着工する方針です。
対象エリアには、渦潮を望める「道の駅うずしお」と「うずの丘 大鳴門橋記念館」があり、両施設への来訪は年間約70万人とされています。
市は、淡路島南インターチェンジ付近に約300台規模の駐車場を整備し、駐車場と2施設を結ぶシャトルバスを運行する計画です。
さらに、高速バスの停留所と新駐車場の間にも別のシャトルバスを走らせ、マイカー以外の来訪を増やす狙いがあります。
駐車場の詳細設計やシャトルバスの運行本数は今後詰める段階で、実装の細部がそのまま利用者体験を左右します。
大鳴門橋自転車道が供用される2028年頃までの完成を目指し、混雑の集中を分散する狙いを前面に出しています。
自転車道整備で需要は増えるが、道路は増えない
大鳴門橋では、既存の車道の下部に自転車道と歩道を整備する事業が進んでおり、総事業費は約58億円です。
計画資料では、利用見込みや需要予測が示され、観光と移動の結節点としての役割が強調されています。
一方で、周辺道路は地形や観光施設の立地に制約があり、連休期に起きる入庫待ちの列は、住民の移動や救急搬送の妨げになりかねません。
市が掲げるパークアンドライドは、道路を広げるより早く手当てできる対策ですが、バスの本数と乗り継ぎの分かりやすさが弱いと利用は伸びません。
観光の経済効果が霞む「社会的費用」の現実
観光で地域活性を目指す動きは全国に広がっていますが、観光が生むのは消費だけではなく、混雑や清掃、警備、騒音対応などの追加コストも同時に生みます。
公的資料でも、観光客の集中によって渋滞や生活利便性の低下が起き、観光への忌避感が強まるリスクが指摘されています。
渋滞は時間の損失であり、国の資料では全国の渋滞損失が年間約11兆円規模という推計もあります。
この数字は南あわじ市の損失額を示すものではありませんが、渋滞が「目に見えない請求書」として家計と企業にのしかかる構造は共通です。
「休日の渋滞で、病院の予約に間に合わなくて泣いた」
「観光はありがたいけど、生活道路が止まるのはつらい」
「ゴミと路上駐車が増えて、結局こっちが片付けてる」
「シャトルが便利なら車を置くけど、待たされるのは嫌」
「稼げるならいい。でも負担が見えないのは納得できない」
観光の経済効果を語るなら、観光消費の増加と同じ精度で、追加の社会的費用も数値で押さえる必要があります。
費用を見ないまま誘客だけを追うと、地域は「稼ぐほど疲れる」状態に陥り、観光公害が経済効果を上回る局面が起きます。
加えて、混雑が常態化すると国内の旅行者が敬遠し、観光消費の機会損失が積み上がる点も問題になります。
鍵はKPIで「経済効果」と「経済損失」を同じ土俵に乗せる
南あわじ市のパークアンドライドは、観光を止めずに渋滞を抑える現実的な手段になり得ます。
ただし成功条件は、駐車場を作ることではなく、バスへの転換がどれだけ起きたかを継続して測り、運行や案内を改良し続けることです。
駐車料金やシャトルの待ち時間、現地の案内表示が一貫していなければ、利用者は結局マイカーで施設前まで行こうとします。
例えば、駐車場の回転率、平均待ち時間、渋滞の発生回数、苦情件数、清掃や警備の追加支出などを定点観測し、観光の純益を見える化する必要があります。
加えて、高速バス利用の促進を本気で進めるなら、バス停と駐車場の乗り継ぎ時間を短くし、観光施設側も「車で来た人」だけが得をする設計を改めることが欠かせません。
観光で地域活性を実現するには、観光客の数を増やすだけでなく、地域の暮らしを守るコストを正面から扱い、損失を小さくすることが前提になります。
この投稿の守本憲弘の活動は、50点・活動偏差値52と評価されています。下記GOOD・BADボタンからあなたも評価してください。