2025-09-26 コメント投稿する ▼
参院選で平成以降最多236人摘発 パチンコ業界の組織的買収と公選法の限界
平成以降最多の摘発規模となり、公職選挙法の限界と業界の深刻な実情が浮かび上がった。 書類送検されたのは、デルパラと系列「モリナガ」の店長や従業員ら230人。 従業員には記入済み投票用紙の写真を撮影させ、投票先を確認する手口を使っていた。 事件の波紋は、業界のみならず政治不信にも直結している。 今回の事件で浮かび上がったのは、公職選挙法の規制の限界である。
平成以降最多236人摘発 参院選での大規模買収事件
7月の参院選で、自民党から比例代表に出馬した阿部恭久氏(66)への投票を見返りに、従業員に報酬を約束したとして摘発された事件で、警視庁など1都7県の合同捜査本部は9月26日までに捜査を終結した。立件されたのはパチンコ店運営会社「デルパラ」(東京都港区)の幹部や系列店店長ら計236人。平成以降最多の摘発規模となり、公職選挙法の限界と業界の深刻な実情が浮かび上がった。
「本社の指示に従わざるを得なかった」
書類送検されたのは、デルパラと系列「モリナガ」の店長や従業員ら230人。幹部6人はすでに逮捕・起訴されている。捜査関係者によれば、店長らは「違法だと思ったが本社の指示に従わざるを得なかった」と供述。買収の対象とされた従業員自身も摘発された。違法行為の責任が末端にまで及んだ点は異例である。
李昌範被告(50、デルパラ社長)は「統括役」として幹部を通じて投票状況を把握させるなど組織的に関与。従業員には記入済み投票用紙の写真を撮影させ、投票先を確認する手口を使っていた。
背景に業界不振と組織的動員
事件の背景には、長引くパチンコ業界の不振があったとみられる。売上減少や店舗閉鎖が続く中、業界全体として政治的影響力の維持を図ろうとした可能性がある。令和4年の参院選でも同様の働きかけが確認されており、繰り返し行われたことが明らかになった。
SNS上では怒りの声が広がった。
「平成以降最大の摘発ってどれだけ腐ってるんだ」
「従業員まで摘発されるのは気の毒」
「会社ぐるみの選挙買収はもう終わりにすべき」
「パチンコ業界の不振と選挙買収を結びつけるな」
「政治家も票を買われる構造に加担しているのでは」
事件の波紋は、業界のみならず政治不信にも直結している。
公選法の「穴」と規制課題
今回の事件で浮かび上がったのは、公職選挙法の規制の限界である。投票所では「秩序を乱す者」を退場させる規定はあるが、投票用紙の写真撮影を直接禁じる規定はない。投票先確認の「確実な証拠」として撮影が悪用されたことは、法の不備を突いた行為といえる。
専門家は「撮影を規制する議論を進めるべき」と指摘する。票の自由と秘密を守るため、制度設計の見直しが求められている。
政治と業界癒着への批判
今回の事件は、特定業界と政治の癒着が有権者の信頼を揺るがす危険性を示した。企業や団体による組織的動員が常態化すれば、「国民のための政治」ではなく「業界のための政治」に堕する恐れがある。選挙制度の健全性を守るためには、企業献金と並び業界票依存の仕組みを正すことが不可欠だ。