2025-09-12 コメント投稿する ▼
福岡・福津で3度目の浸水被害 住民が訴える抜本的河川改修と支援の遅れ
調査は福間南、畦町、内殿の3地区で行われ、住民からは繰り返される浸水への不安と、早急な河川改修や排水対策を求める切実な声が寄せられた。 内殿地区では県管理河川の大内川が氾濫し、住宅が多数浸水した。 災害救助法は8日に適用されたが、住民からは「生活再建支援が追いついていない」との声が絶えない。
福岡・福津で3度目の浸水被害 住民から抜本的対策を求める声
福岡県福津市は、8月の記録的大雨により甚大な被害を受けた。12日には日本共産党の田村貴昭衆院議員と党福岡県委員会が現地調査を行い、同市議会の戸田進一議員、岩下豊議員とともに被災地を訪れた。調査は福間南、畦町、内殿の3地区で行われ、住民からは繰り返される浸水への不安と、早急な河川改修や排水対策を求める切実な声が寄せられた。
調査団はまず三築区池の決壊箇所を視察。その後、福間南地区で氾濫した苅目川の現場を確認した。同地区では市管理河川の氾濫に加えて排水ポンプが機能しなかったため、住宅や農地が広範囲に浸水した。
「ここで暮らして長いですが、水に漬かるのはもう3回目です」
「まだ臭いが残っていて、生活に支障が出ている」
「また大雨が降れば同じ被害が繰り返されるのでは」
「行政は本気で河川改修に取り組んでほしい」
「被災した人への支援が遅れているように感じる」
農業被害と生活再建への要望
内殿地区では県管理河川の大内川が氾濫し、住宅が多数浸水した。農業を営む男性(48)は自宅が床上浸水となり「半壊」の判定を受けたが、その認定に納得していないと訴えた。さらに農機具や設備への被害は深刻で、「県全体で農業が大きな打撃を受けている。農業を続けるモチベーションにつながる支援が必要だ」と強調した。
福津市全体では、今回の豪雨で2人が死亡。福岡県の集計では、住宅被害は全壊2件、半壊146件、床上浸水41件、床下浸水31件に及ぶ。災害救助法は8日に適用されたが、住民からは「生活再建支援が追いついていない」との声が絶えない。
田村議員「抜本的な河川改修が必要」
調査を終えた田村議員は、福間南地区では雨水対策の強化が不可欠であり、畦町と内殿の2地区については「抜本的な河川改修が必要で、県の責任が問われる」と指摘した。また被災者支援については被災者生活再建支援法の適用や柔軟な運用を訴え、「住民の声に寄り添った支援を実現する」と語った。
繰り返される浸水被害と行政の課題
福津市では過去にも浸水被害が繰り返されており、住民の間では「またか」という諦めと「今度こそ根本策を」という期待が交錯している。気候変動に伴う豪雨災害の頻発が背景にあるが、河川改修や排水設備の強化など、自治体と県の責任ある対応が不可欠だ。
被災者の声は明確である。「一時的な復旧」ではなく「再び浸水しない仕組みづくり」が求められている。行政が現場の実情を踏まえた長期的な対策を取れるかどうかが、地域の安全と信頼回復の鍵を握る。