2025-07-31 コメント投稿する ▼
自動車の関税引き下げ、即時実現は困難か 赤澤経済再生相「大統領令の署名待ち、時間要する可能性」
日米合意後の課題は“実行フェーズ” 自動車関税は停滞の恐れ
アメリカとの間で合意に達した関税措置をめぐり、政府は7月31日に総理大臣官邸で関係省庁によるタスクフォース会合を開催した。会合後、赤澤経済再生担当大臣は記者団に対し、自動車への25%の追加関税の引き下げについて「しばらく時間がかかる可能性がある」と述べ、早期実現には慎重な見通しを示した。
赤澤氏は、大統領令の発出が関税引き下げの前提となっており、過去の米英間の事例を踏まえると一定の時間がかかるとの認識を示した。その一方で、「合意の実施を確実にし、国内産業への影響を注視するよう関係省庁に指示した」とし、対策本部としての情報収集と分析を強化する構えを見せた。
相互関税は即時調整も、自動車は例外か
トランプ大統領は、8月1日から関税率を25%に引き上げる方針を示していたが、赤澤大臣は「日米で合意しており、自然な流れとして15%になると想定している」と語り、一部の関税については合意が履行されるとの見通しを示した。
ただし、問題は自動車への追加関税にある。米国内での大統領令の手続きが必要となるため、引き下げには時間がかかるとの懸念が高まっており、日系自動車メーカーや部品関連企業にとっては、政策リスクを抱えた状態がしばらく続くことになる。
合意を「守らせる外交」へ 日本政府は圧力強化
赤澤経済再生相は、「大統領令が出るまで『約束どおり関税を下げてください』と言い続ける」と強調。米国側に対して合意履行の確実な実施を求め、働きかけを継続する方針を明らかにした。
また、「お互いが合意を守ることが国益を守るために不可欠だ」と述べ、外交交渉の焦点が“サインされた文書”から“実効性のある履行”へと移行していることを示唆した。
市民からは「トランプ任せで大丈夫?」「自動車産業守れるのか」の声
SNS上では、合意はしたものの実行が見えにくい状況に対し、不安や疑問の声が相次いでいる。
「トランプ相手に“約束守れ”で済むの?」
「日米合意って口約束じゃ意味ないでしょ」
「自動車関税そのままなら国内産業に影響大きい」
「いつまで“様子見”って言ってるの?」
「政府は本気で守る気あるのか、圧力が弱すぎる」
日本の自動車産業は、輸出依存度が高く、関税引き下げが遅れれば、価格競争力の低下や生産計画の見直しを迫られる可能性もある。政権には迅速かつ現実的な対応が求められている。
外交交渉の“実効性”が問われる局面
合意内容を公表し、評価するのは重要だが、それが実行されて初めて政策効果が生まれる。今回の自動車関税問題は、日米外交の真価が問われる典型的なケースといえる。
政府が本気で国内産業を守る姿勢を示すならば、形式的な合意に満足せず、法的・実務的な履行を求め続ける「粘り強い外交」が必要だ。トランプ大統領の政治的判断が絡む中で、日本政府の発信力と交渉力が、国益を守る鍵を握っている。