2026-04-07 コメント投稿する ▼
赤沢亮正経産相「石油8カ月確保」 代替調達でさらに延伸、ナフサ4カ月分も備え
資源エネルギー庁の集計によると、2026年4月3日時点の石油備蓄量は国家備蓄・民間備蓄・産油国共同備蓄を合計して232日分(約7カ月半)となっています。 さらに5月には国家備蓄から新たに20日分程度の追加放出も検討されており、これらを組み合わせて来年の年明けまでは必要な原油を確保できると見込んでいます。
ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、赤沢亮正経済産業相(中東情勢に伴う重要物資安定確保担当相兼務)は2026年4月7日の参議院予算委員会で、石油の備蓄について「8カ月分(の備蓄)は確保している」と強調しました。そのうえで、中東以外からの代替調達を着実に進め、「しっかりその期間を延ばしていく」との方針を改めて説明しました。国民民主党の後藤斎氏への答弁でのことです。
備蓄8カ月分の中身 放出を続けながらも「延伸」へ
資源エネルギー庁の集計によると、2026年4月3日時点の石油備蓄量は国家備蓄・民間備蓄・産油国共同備蓄を合計して232日分(約7カ月半)となっています。赤沢経産相が「8カ月分」と述べたのはこの直近データに対応した表現であり、3月上旬の241日分から低下していますが、依然として高水準を維持しています。
ホルムズ海峡を通らない代替ルートとして政府が活用しているのが、アラブ首長国連邦(UAE)東部に位置するフジャイラ港と、サウジアラビア西岸のヤンブー港です。この2港はホルムズ海峡を迂回できる大型港湾で、内陸パイプラインと接続しています。政府によると、5月には中東迂回ルートやアメリカからの輸入拡大で、前年同期の6割程度まで調達が回復する見通しです。さらに5月には国家備蓄から新たに20日分程度の追加放出も検討されており、これらを組み合わせて来年の年明けまでは必要な原油を確保できると見込んでいます。
「8カ月あるって言うけど、消費が続けば当然減る。代替調達がどれだけ追いつくかが本当の問題では」
「ナフサの備蓄がほぼゼロなのに4カ月分確保できてるって、どういう計算なのか説明してほしい」
「ホルムズ依存94%にしてきたのは数十年にわたる政策の失敗。今さら「代替調達を進める」で済む話ではない」
「薬や医療器具のプラスチックもナフサ由来。川下への影響がどこまで広がるかが本当に心配です」
「政府は「確保している」を繰り返すばかりで、具体的な数字と計画を全部開示してほしい」
ナフサ4カ月分の根拠と「川下製品」の在庫活用
石油とは別に重大な課題となっているのが、プラスチックや合成繊維、医薬品原料など幅広い製品に使われるナフサ(石油化学の基礎原料)の確保です。赤沢経産相は立憲民主党(立民)の勝部賢志氏への答弁の中で、ナフサについて川下製品であるポリエチレンなどの在庫活用や国内での精製を組み合わせることで需要の4カ月分を確保したと改めて述べました。
注目すべきは、ナフサ自体は揮発性が高く危険なため国内での備蓄がほぼ行われていないという点です。4カ月分の確保は、中東以外からの輸入分と国内の備蓄原油を使った国内精製分、そして「川下製品」のポリエチレン・ポリプロピレンなどの在庫を合算した数字です。原油のような備蓄制度が整っていないナフサは、在庫が薄くなると製造業や医療現場への影響が連鎖的に生じます。大手化学メーカーがエチレン生産設備の減産を開始しているほか、医療機器の樹脂製消耗品の一斉点検も全国で進められています。
政府の作業部会が動く「目詰まり解消」の実態
政府は「重要物資安定確保に向けた作業部会」を通じ、医療機関への重油の直接販売を石油元売り事業者に要請するなど、現場レベルの「流通の目詰まり」解消に乗り出しています。赤沢経産相は「融通支援などを通じてきめ細かく対処する」との方針を示しています。
しかし問題の根本は数十年にわたる中東一極依存の構造にあります。原油輸入の94%をホルムズ海峡経由に依存してきた構造は、石油危機以降に「多様化」を掲げながら結果として深まり続けた政策の失敗です。緊急措置としての備蓄放出や代替調達の努力は評価できますが、それは対症療法にすぎません。物価高対策として財政出動や減税が急務であるのと同様に、エネルギー安全保障においても国内の原子力活用促進や再生可能エネルギー拡大といった抜本的な構造転換を、今こそ本気で進めるべき局面です。
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まとめ
- 赤沢亮正経産相は2026年4月7日の参院予算委で「石油の備蓄は8カ月分確保」と答弁し、代替調達で期間を延伸する方針を説明した
- 4月3日時点の備蓄量は国家・民間・産油国共同備蓄の合計で232日分(約7カ月半)
- 代替ルートとしてUAEフジャイラ港・サウジアラビアのヤンブー港を活用し、5月には前年比6割程度まで回復見通し
- 5月に国家備蓄から新たに20日分程度の追加放出を検討中
- 政府関係者は「来年の年明けまで必要な原油を確保できる」と見込んでいる
- ナフサについては川下製品の在庫活用と国内精製を組み合わせ4カ月分を確保(ナフサ自体の備蓄制度はほぼなし)
- 大手化学メーカーがエチレン生産設備の減産を開始、医療機器の樹脂製消耗品の一斉点検も実施中
- 政府は「重要物資安定確保作業部会」を通じ流通の目詰まり解消に乗り出しているが、中東依存94%という構造問題は解決されていない