2025-04-12 コメント: 3件 ▼
「集めて配るなら取るな」発言に波紋 榛葉氏の問題提起に米山氏が反論も、現役世代の実情にズレ

「税はそれこそ基礎控除以下の人からは取らず高額所得者から累進課税で多くとるので、それを配る事で格差が是正され『最初から取』らない事と同じでは全くありません。この人気取り主張は事実ではありません」
米山氏の主張は、再分配による格差是正の原則を正面から擁護するもので、現行の累進課税制度の意義を訴える内容である。しかし、この投稿は現役世代、特に中間所得層や子育て世帯を中心とした納税者の感情に必ずしも寄り添ったものとは言いがたい。
榛葉発言の背景にある「過剰負担感」
榛葉氏が言う「集めた税金を給付するなら最初から取るな」という言葉には、物価高や社会保険料の上昇、さらには実質賃金の低迷など、現役世代の家計に重くのしかかる現実が色濃く反映されている。
特に、税負担の中心となっているのは年収300万〜800万円程度の中間層であり、彼らは「高所得者」にも「低所得者」にも該当しないが、納税は重くのしかかり、給付の対象からも外れるという“板挟み”の状況にある。
現実問題として、社会保障費や子育て支援の財源は広く国民から集められており、「結局は取って配るだけならば、徴収の手間も給付の公平性も課題が多い」との批判は根強い。
再分配か、負担軽減か
米山氏の主張は、あくまで「税と給付」の制度的正当性に立脚しているが、榛葉氏はその“制度”が実際には納税者の不満や生活困窮を解消していないことを直感的に突いている。つまり、「再分配の理念は理解できるが、まずは取りすぎている税負担そのものを軽減すべきではないか」という問題提起である。
この点で、米山氏の発言は、現役世代が抱える経済的プレッシャーに対する理解を欠いているとの批判もある。高所得者への課税強化が制度上行われているとしても、現実には「中間層」が多くの税と社会保険料を担い、支援の恩恵から外れているという事実があるからだ。
「人気取り」か、「生活実感」か
米山氏は榛葉氏の発言を「人気取り」と断じたが、それはあまりにも一面的な見方ではないかという声もある。なぜなら、榛葉氏の発言は、実際に重い負担を感じている納税者たちの「生活実感」から出たものであり、単なる迎合ではなく「国民の声」を代弁する側面もあるからだ。
現在の政策議論では、所得再分配の理念と同時に「負担の公正性」「生活コストの現実性」も等しく問われるべきである。政治家が制度論に終始するだけでなく、納税者の心情や不満にも真正面から向き合うことが求められている。