2025-08-08 コメント投稿する ▼
国交省、全国の整備局で入札契約手続き延期 成績評定点ミスで6万件超を再点検
国交省、全国の整備局で入札契約を延期 成績評定点入力ミスが発覚
国土交通省は8日、全国の地方整備局が実施する入札契約手続きを4日から延期していると発表した。原因は、発注時に使用するデータベースの一部に入力ミスが見つかったためで、再開の見通しは立っていない。影響は全国規模に及び、公共事業の進行に遅れが生じる恐れがある。
入力ミスが確認されたのは、建設コンサルタント業務を発注する際に使われる「企業や技術者の過去の業務成績評定点」。これは入札時の評価に直結する重要なデータで、本来の点数と異なる値が入力されていた。ミスは入札に参加した業者からの指摘で発覚し、調査の結果、複数の整備局で類似の誤りが確認された。
約6万1千件を再点検、契約済み案件にも影響の可能性
国交省は現在、過去5年間に完了したコンサルタント業務、計約6万1千件を対象に成績評定点を再点検している。正しい点数への修正が必要な場合、契約済みの案件についても入札結果が覆る可能性があり、関係業者や自治体への影響が懸念されている。
近畿地方整備局などでもミスが発覚しており、全国的に同様の事例が広がっていることがうかがえる。国交省関係者は「全件の確認が終わるまでは落札決定や契約締結の手続きを進められない」と説明し、事態の深刻さを認めた。
「公共事業の入札でこんな初歩的なミスは信じられない」
「契約済みの案件に影響が出たら損害賠償問題になる」
「税金でやってる事業なんだから慎重にやってほしい」
「全国規模で止まるなんて前代未聞」
「原因究明と再発防止策を徹底してほしい」
背景にある制度依存と管理の甘さ
業務成績評定点は、発注者が過去の契約履行状況を点数化したもので、入札の評価点や資格審査に反映される。適正な入力が前提であるため、今回のような誤りは入札の公正性そのものを揺るがしかねない。
専門家からは、データベースへの過度な依存やチェック体制の不備が背景にあるとの指摘もある。特に全国一括のシステム運用では、ミスが発生すると影響範囲が広がるため、二重・三重の確認工程を設けるべきだという声が出ている。
今後の見通し
再点検には時間がかかるとみられ、工期や予算編成に影響を及ぼす可能性が高い。発注が遅れれば、年度内の事業完了が困難になる案件も出かねず、地方自治体や受注企業にとっては大きな打撃だ。
国交省は、調査結果と原因究明、再発防止策を取りまとめた上で手続きを再開する方針だが、現時点では具体的な再開時期は示されていない。公共事業の信頼性を揺るがす今回の事態に、業界や自治体からは厳しい視線が注がれている。