国交省「建設未来賞」で外国人技能者と企業を表彰へ 共生と人材育成を後押しする試み

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国交省「建設未来賞」で外国人技能者と企業を表彰へ 共生と人材育成を後押しする試み

深刻な人手不足背景に 国交省が外国人材の育成と共生を表彰へ


国土交通省は、建設業界で活躍する外国人技能者とその受け入れ企業の優良事例を広く顕彰するため、「外国人材とつくる建設未来賞」の募集を2025年度分として開始した。これは、外国人材の技能向上や就労環境の整備、地域社会との共生を評価し、建設分野における多文化共生を一層促進することを目的としている。

外国人労働者を「単なる労働力」として扱うのではなく、「企業の一員」「地域の住民」としてともに未来を築いていくパートナーとして迎え入れようとする、国の意思表示ともいえる今回の施策。新設された「未来への取り組み賞」を含む3部門で、具体的な取り組みを募集・選考するという。

「“安い労働力”じゃなく、“共に働く仲間”として評価する姿勢は歓迎したい」
「こういう制度があることで、受け入れ企業の意識も少しずつ変わっていくのでは」


表彰対象は3部門 技能、育成、共生に重点


表彰制度は以下の3部門で構成されている。

1. 外国人建設技能者部門(優秀外国人建設技能者賞)
日本語能力や建設技能、さらには他の技能者への指導や教育への取り組みを評価する。単に優れた技術力だけでなく、「企業内でのリーダーシップ」を発揮している外国人材が対象となる。

2. 受入企業部門(外国人材育成賞)
 外国人技能者の教育体制整備、就労環境改善、さらには生活支援・地域との交流など、包括的に支援している企業や個人事業主を表彰。文化の壁を越えた長期的共生への取り組みが評価される。

3. 外国人材活躍優良事例部門(未来への取り組み賞)
建設業界全体に好影響を与えるような先進事例が対象。地域社会との連携や社会貢献的要素が重視される。

審査は、国交省が有識者や業界団体の意見を参考にしながら実施し、2025年度中に受賞者が発表される予定。

「評価されることでモチベーションも上がるだろうし、技能向上にもつながる」


建設現場を支える外国人材の“見えない努力”を可視化


この取り組みが注目される背景には、建設業界の慢性的な人手不足がある。国交省の統計では、技能労働者の高齢化と若年層の入職率低下により、2030年には50万人以上の人手が不足するとされている。

その穴を埋めているのが外国人技能者だ。現在、特定技能や技能実習制度などを通じて、日本の現場で日々汗を流している彼らは、言葉や文化の壁、孤独や差別などさまざまな困難を抱えながら働いているのが実情だ。

今回の「建設未来賞」は、そうした“見えない努力”を正面から評価し、社会的に光を当てる試みとして意義深い。単なる表彰にとどまらず、「外国人材は使い捨てではない」というメッセージが業界全体に浸透していく契機にもなり得る。

「日本語も覚えて技術も身に付けて…本当にすごい。もっと認めていいと思う」


制度の“賞”にとどまらず、制度全体の見直しを


一方で、特定技能制度や技能実習制度の運用においては、依然として「低賃金労働の温床」「実質的な移民政策」といった指摘も根強い。制度そのものの改善が求められているなか、表彰制度の実施は“対症療法”に過ぎないという批判も存在する。

共生社会の実現に向けては、「賞」で優れた取り組みを評価するだけではなく、制度設計そのものが外国人技能者の人権やキャリア形成を尊重するものへと進化していく必要がある。

だが、今回のように「優良事例を掘り起こし、共有する」という姿勢は、業界全体の意識改革に一定の効果があるのは間違いない。表彰された取り組みが、他企業や自治体にとってのロールモデルとなることが期待される。

「制度の根っこも見直してほしいけど、こういう取り組みは意味があると思う」

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2025-06-17 17:54:28(藤田)

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