2025-10-07 コメント投稿する ▼
国交省、老朽マンション解体・売却にも税優遇 住民負担軽減で再生促進へ
国土交通省は2026年度から、老朽化したマンションの再生を進めるための税制優遇を広げる方針を固めました。 マンションの再生方法には、建て替えのほかにも、建物を解体して土地を売却する方法や、建物と土地をまとめて売却する方法、リノベーションなどがあります。 国交省は、税の優遇を広げることで、住民がそれぞれのマンションの実情に合った方法を選べるようにしたい考えです。
老朽マンション再生に新制度 国交省が税優遇を拡大へ
国土交通省は2026年度から、老朽化したマンションの再生を進めるための税制優遇を広げる方針を固めました。これまで「建て替え」を行う場合に限られていた支援を、「解体」や「売却」などの他の再生方法にも適用します。
現在は、住民がつくる「建て替え組合」が工事のために全ての部屋の所有権を一時的にまとめる際、登録免許税や不動産取得税がかかります。新制度では、こうした税金を免除して住民の負担を軽くします。国交省は2026年度の税制改正要望にこの方針を盛り込みました。
建て替え以外の選択肢にも支援
マンションの再生方法には、建て替えのほかにも、建物を解体して土地を売却する方法や、建物と土地をまとめて売却する方法、リノベーションなどがあります。国交省は、税の優遇を広げることで、住民がそれぞれのマンションの実情に合った方法を選べるようにしたい考えです。
再生の決定には区分所有者の5分の4以上の賛成が必要で、反対した人には部屋の所有権を売ってもらう制度があります。こうした場合でも、名義を組合に移す手続きには税負担が発生しており、それが合意形成を難しくする要因の一つとなっていました。
「老朽マンションの再生は合意形成が鍵です」
「税負担を減らして住民が動きやすくするのが狙いです」
「建て替えが難しい場所では売却という選択も現実的です」
「制度の柔軟化で老朽化の放置を防ぎたいです」
「負担を軽くして再生を加速させます」
所得税の軽減も対象に
建て替えの場合、反対した住民が組合から受け取る金額には所得税や住民税がかかりますが、現在は減税措置があります。国交省は、同じような減税を「解体」や「売却」にも広げるよう求めています。これにより、建て替えだけでなく他の方法を選んでも税負担が軽くなる見込みです。
国交省の担当者は「区分所有者の合意を得るには時間と費用がかかる。税負担を軽くすることで、より多くの住民が再生に参加しやすくなる」と話しています。
増える老朽マンション 20年後には3倍超に
国交省の調べでは、築40年以上のマンションは2024年末時点で約148万戸に達しており、20年後には約483万戸に増える見込みです。地価の高騰や建築費の上昇などから、建て替えが難しい地域も多く、老朽化が進むマンションを放置すれば、災害時の危険や空き家問題にもつながるおそれがあります。
公明党の国土交通部会は、今年6月の政府方針づくりや8月の予算要望の中で、老朽マンションの再生を支援するよう政府に求めていました。国交省はこれを受けて、実際の制度設計を進めています。