2025-08-04 コメント投稿する ▼
維新・前原誠司共同代表が辞意 比例票激減で執行部刷新要求、吉村代表は判断留保
維新・前原誠司共同代表が辞意 参院選不振で執行部刷新を要求
日本維新の会の前原誠司共同代表が4日、党の非公式会合で吉村洋文代表に対し、参院選での不振の責任を取り辞任する意向を伝えた。岩谷良平幹事長、阿部司総務会長、漆間譲司国対委員長も同様に辞意を表明しており、前原氏は「吉村氏を除く執行部の刷新が党勢回復に必要」との考えを示した。
吉村代表は現在、自身の続投の是非を問う党員投票を実施中であることから、4人の辞意について「扱いを留保」する判断を下した。前原氏は5日の国会議員団役員会で正式表明する見通しだ。
比例票激減の責任を明言
維新は今回の参院選で改選6議席を上回る7議席を獲得したが、比例代表票は前回2022年の約784万票から約437万票へと大きく減少。地盤の関西では議席を守ったものの、全国的な党勢拡大にはつながらなかった。
前原氏はこの結果を重く受け止め、特に関西以外での浸透不足と比例票の激減を「執行部の戦略ミス」と位置づけた。非公式会合では「党全体の信頼を回復するには人心一新が必要」と強調し、辞任を通じて変革の姿勢を示す意向を明らかにした。
前原氏の狙いと背景
民主党政権時代に外相や党代表を歴任した前原氏は、国政経験の豊富さと政策論争での切れ味を武器に、維新内でも存在感を発揮してきた。一方で、今回の参院選では全国遊説やメディア露出の面で十分な効果を上げられず、「党の顔」としての役割を果たせなかったとの声も党内外から上がっていた。
前原氏は吉村代表を含めた全執行部総辞職には踏み込まず、吉村氏を残したまま幹部を入れ替えることで「トップの求心力を維持しつつ、新陳代謝を図る」という戦略を描く。ただ、この部分は党内でも賛否が分かれており、「代表も含めた抜本改革が必要」という意見も少なくない。
市民の声 「潔いが不十分」
前原氏の辞意表明に対し、有権者からは次のような声が寄せられている。
「責任を取る姿勢は評価するが、執行部全体で辞めるべきだ」
「吉村氏を残す判断は党内事情だろうが、国民には中途半端に映る」
「比例票の激減を直視して、戦略を抜本的に変えてほしい」
「前原さんは国政経験があるのに、維新カラーを出せなかった」
「辞任だけでなく、新体制のビジョンを示してほしい」
維新の再出発は可能か
前原氏の辞任が正式決定すれば、党内の勢力図や人事バランスが変わる可能性が高い。関西依存から脱却し、全国での支持基盤を広げるには、地方組織の強化や候補者育成、政策訴求力の向上が不可欠だ。
前原氏の動きは、単なる「責任の取り方」にとどまらず、維新が全国政党として生まれ変われるかどうかの試金石となる。吉村代表がこの辞意をどう扱うかが、次期選挙に向けた党の方向性を大きく左右するだろう。