2025-07-31 コメント投稿する ▼
維新・前原誠司氏「自公連立に反対意見なし」も石破内閣との連携は否定 支持層との信義を重視
連立論浮上も「石破政権とは組まない」前原氏が明言
日本維新の会の前原誠司共同代表は7月31日、参院選後初めて開かれた両院議員総会後の記者会見で、自民・公明による政権との連立について「反対という意見はなかった」と述べた。ただし、「現時点で石破内閣との連立は考えていない」とも語り、慎重な姿勢を強調した。
約2時間半にわたって行われた総会では、議員らが選挙結果を踏まえて活発に意見を交わした。前原氏によれば、連立そのものに対する明確な否定意見は出なかったが、維新が参院選で掲げた「自公過半数割れ」の目標との整合性から、石破政権と連携することは現段階では“裏切り行為”になると説明した。
「選挙の訴えと矛盾」 連立参加に慎重な理由とは
維新は今回の参院選で、「自公体制の是正」と「第三極としての改革」を掲げて選挙戦を展開した。そのため、選挙直後に自公政権との連立を模索すれば、有権者から「方針転換ではないか」と受け止められるリスクがある。
前原氏は「我々は自公を過半数割れに追い込むということで選挙を戦った。石破政権と組むことは投票してくださった方々に対する一定の裏切り行為になる」と語り、現段階での連立容認には慎重な構えを示した。
一方で、「反対の声がなかった」と明言したことは、党内に連立論への一定の“地ならし”が進んでいることをうかがわせる。
代表選は8月7日投票締切 党の方向性問う節目に
維新では大型選挙後の恒例として代表選を行うかどうかが議員判断に委ねられており、現代表・吉村洋文氏の信任投票は8月7日が締切となっている。前原氏は、自身の進退についても「吉村代表に委ねる」と述べ、あくまで党内の総意に従う姿勢を見せた。
参院選では関西以外での支持拡大に苦戦し、比例票を大きく減らしたことが議論の焦点となっている。今後の党の進路を占う上でも、吉村氏の信任の可否と、それに続く執行部体制の再編が注目される。
有権者からは「ぶれないで」「選挙直後に連立はあり得ない」の声
SNSでは、有権者からの意見も多数寄せられた。とくに「自公との連立を否定しなかった」発言に対しては、慎重であるべきとの声が目立った。
「参院選であれだけ反自公を訴えてたのに、すぐ連立検討?信じられない」
「石破政権と組まないのは当然。維新がぶれたら終わる」
「連立するなら選挙前に言うべき」
「選挙後すぐの“空気読み”みたいな発言は信用失う」
「維新は“中立改革政党”を貫いてくれ」
こうした声には、改革勢力としての「独立性」を維持することこそが維新の支持基盤であり、そのイメージを損ねる行動は逆効果だという認識が根底にある。
維新の立ち位置が問われる局面 改革と連携のジレンマ
維新はこれまで「反自民でも反野党でもない第三極」として、独自の改革路線を打ち出してきた。しかし今回のように、政権との連携の是非が問われる局面では、「政権批判か政策実現か」の板挟みに直面する。
連立に参加すれば政策実現の機会が増える一方で、支持層から「体制に取り込まれた」との反発も想定される。今回、前原氏が「現時点では組まない」と明言したことは、支持層の信頼をつなぎとめる狙いもあるとみられる。
今後の党運営と代表選の行方は、維新が第三極としての旗をどこまで掲げ続けられるのか――その覚悟を問うものとなる。