2025-06-12 コメント投稿する ▼
麻生太郎氏「不信任案可決なら解散総選挙」発言に緊張 政局と与党内の危機感が露わに
麻生太郎氏が不信任案可決に言及 「解散総選挙は当然の帰結」
自民党の麻生太郎最高顧問が、野党による内閣不信任案の提出に対し、「予断を許さない」と緊張感をにじませながらも、もし可決されれば「解散総選挙となる」との認識を強調した。発言は12日に開かれた麻生派の会合におけるもので、現政権を支える与党の議席数が衆議院で単独過半数に達していないという現実を踏まえた危機感がにじんでいる。
「総辞職という選択肢はありえない」 麻生氏の明言
麻生氏は「日本国憲法の規定により、内閣不信任案が可決されれば内閣は総辞職するか、衆議院を解散するしかない」と指摘。その上で、「内閣総辞職という選択肢はありえない」と明言し、仮に可決されれば衆議院の解散、すなわち総選挙が避けられないとの立場を明確にした。
さらに、会合に出席した所属議員に対しては「これは脅しではなく、憲法に基づいた当たり前の話だ」と冷静に語りかけた。緊張感を保ちつつ政権運営に取り組むべきだと促す一方で、現政権の「少数与党」状態にある厳しい立場を再確認する機会となった。
「少数与党」の現実と、政局の火種
衆議院では現在、自民・公明両党で過半数を維持しているものの、自民党単独では議席数が減少傾向にあり、連立の結束が揺らげば不信任案の可決も理論上は否定できない。野党側からは、物価高対策の不備や外国人政策に対する不満、給付金頼みの経済政策への批判が噴出しており、不信任案提出を模索する声もある。
野党が仮に内閣不信任案を提出すれば、憲法第69条の規定により、与党がこれを否決できなければ自動的に解散または総辞職が義務付けられる。麻生氏の発言は、その可能性に備えた「警告」であると同時に、現与党に対する結束の呼びかけでもある。
「給付金頼み」の経済対策と政治的緊張
麻生氏が「総辞職はあり得ない」と断じた背景には、現政権に対する与党内の支持を再構築する思惑も透けて見える。近年、物価高騰への対応として繰り返される現金給付や補助金政策は、「バラマキ」との批判を受けており、構造改革や減税による根本的な経済テコ入れが求められているにもかかわらず、政府の対応は場当たり的な印象が否めない。
このような背景からも、「野党が不信任案を提出すれば解散する」というメッセージは、現実的な選択肢としてだけでなく、野党への牽制でもある。同時に、与党内部に対しても「選挙になれば全員が無傷では済まない」という自覚を促すものである。
解散総選挙になったら、今の自民は持たないでしょ。覚悟してる?
給付金ばかりで減税も改革も進まない。このままだと支持失うよ
麻生さんの言ってることは筋が通ってるけど、脅しにも聞こえる
野党は出せるもんなら出してみな。逆に審判が下るのはそっちだ
もう選挙やっても国民は喜ばない。政治が空転するだけ
政治の信頼回復には減税と制度改革を
この局面で改めて問われるのは、国民に対する「誠実な説明責任」と「本質的な政策転換」である。場当たり的な給付金ではなく、実質的な可処分所得の増加に繋がる恒久減税こそが求められており、それが経済全体の活性化や中長期的な信用回復に繋がる。
不信任案という政治的リスクを前に、与党はただ結束を呼びかけるだけでなく、政権運営の方向性そのものを見直す覚悟が問われている。