2025-12-18 コメント投稿する ▼
競馬収益を農業財源に是非 八幡愛と農水相が国会で倫理論争
問題提起したのは、れいわ新選組の衆院議員・八幡愛氏で、「競馬の売り上げは負けた誰かの涙」と述べ、ギャンブル収益を政策財源に用いることの倫理性を正面から問いました。 八幡愛氏は質疑で、自身の父親がギャンブル依存症だった経験を明かしました。 鈴木憲和農水相は、競馬で負けた自身の経験に触れ、「その涙が畜産振興に使われていると思えば、割り切ることもできた」と述べました。
競馬収益を農業財源に、国会で噴き出した倫理論争
農林水産省が日本中央競馬会(JRA)の収益の一部を農業振興に活用する方針を示したことを受け、2025年12月18日の衆院農林水産委員会で、財源の在り方を巡る激しい応酬がありました。問題提起したのは、れいわ新選組の衆院議員・八幡愛氏で、「競馬の売り上げは負けた誰かの涙」と述べ、ギャンブル収益を政策財源に用いることの倫理性を正面から問いました。
これに対し、農林水産大臣の鈴木憲和氏は「私も前にだいぶ負けて涙を流した」と応じ、競馬で生まれた収益が畜産振興などに使われている現状への理解を求めました。国会審議の場で、個人的経験を交えたやり取りが行われたことも含め、議論は注目を集めています。
JRAの収益構造と特別積立金の実態
中央競馬の馬券売上は、その約75%が払戻金に充てられ、約10%が国庫納付金として国に入ります。さらに、決算後の利益の半分も国庫に納付され、畜産振興や社会福祉に活用されています。残余はJRAの特別積立金として積み立てられ、2025年度末時点で約1049億円に達しています。
農水省は、この特別積立金を農地の大規模化など農業構造改革の財源に活用する構想を示し、2026年の通常国会に関連法案を提出する方針を自民党部会に提示しています。表向きは既存資金の有効活用ですが、その原資がギャンブル収益である点が、今回の論争の核心です。
「負けた人の涙」という八幡氏の問題提起
八幡愛氏は質疑で、自身の父親がギャンブル依存症だった経験を明かしました。その上で、「有馬記念が盛り上がれば、また誰かが泣く。本人だけでなく家族も泣く」と述べ、競馬収益の裏側にある現実を直視すべきだと訴えました。
特別積立金を取り崩せば、JRAはその穴埋めのために売上拡大を志向せざるを得ず、結果的にギャンブル依存を助長する構造になるという指摘です。農業振興という正義の名の下で、依存と犠牲を前提とした財源に頼ることは適切なのかという問いは重く、単なる感情論では片付けられません。
「負けた人がいるから成り立つ財源だと思うと複雑だ」
「農業のためなら何でも許されるという考えは危うい」
「ギャンブル依存の家族の立場は置き去りにされている」
「財源の選び方に国の価値観が表れると思う」
「別の方法を探すべきだという主張はもっともだ」
農水相の答弁と残された課題
鈴木憲和農水相は、競馬で負けた自身の経験に触れ、「その涙が畜産振興に使われていると思えば、割り切ることもできた」と述べました。同時に、ギャンブル依存症対策を進める方針も示しています。
しかし、個人の感情で割り切れるかどうかと、制度として許容できるかは別問題です。八幡氏が指摘したように、安定した農業政策を支える財源は、本来、税や明確な政策判断に基づくものであるべきです。競馬の売上を前提とした発想は、財政の透明性と倫理性の両面で疑問を残します。
農業は国の基盤であり、その支援策は国民全体で支えるべき分野です。ギャンブル収益への依存を強めるのか、それとも別の財源を確保するのか。今回の質疑は、農政だけでなく、国の財源設計そのものを問い直す契機となっています。