2025-05-29 コメント: 1件 ▼
太陽光発電の“裏口操作”に小野田議員が警鐘 インバーターの遠隔制御リスクとは
小野田議員が警鐘「遠隔操作の危険性を見過ごすな」
太陽光発電システムに潜むセキュリティリスクに対し、自民党の小野田紀美参議院議員が政府に対策を強く求めた。焦点となったのは、太陽光発電設備の中に仕込まれた通信機器が、外部から遠隔操作可能な状態にあるという懸念だ。小野田氏は「誰が操作するのかまで見ないといけない」と述べ、製品の性能だけでなく、それを管理・操作する主体の安全性にも目を向けるべきだと訴えた。
「国産」の裏に潜む落とし穴
委員会で小野田氏は、インバーターと呼ばれる直流を交流に変換する重要機器について、表向きは国産でも実際には海外生産だったり、セットで遠隔修理機能が売り文句になっていたりすると指摘。便利さの裏側に潜むリスクに注意を促した。
「“エラーがあっても遠隔で直します”と聞けば良さそうに聞こえる。でも裏を返せば、遠隔で止めることもできる。安全保障の観点からは極めて危険」と語り、ただの機能ではなく“制御の主導権”こそが問題の本質だとした。
Wi-Fi接続と自由なアクセスの危うさ
小野田氏はさらに、Wi-Fiを通じて世界中からアクセス可能な現状に懸念を示した。「Wi-Fiが繋がっていれば、誰でもどこからでも入れてしまう。そうなれば、好き放題に操作されかねない」と述べた上で、インバーター内部の構成要素や、それを動かす役務の範囲まで、経済安全保障として厳格に確認すべきだと訴えた。
正当なアクセスの“中の人”にも警戒を
議論は「不正アクセス」対策だけでは終わらない。小野田氏は「むしろ正当なアクセスのフリをした“内部の人間”にこそ危険が潜んでいる」と強調した。権限を持つ者が“どこの誰か”を特定・管理できていない場合、外部からの攻撃よりも深刻な影響をもたらしかねないからだ。
「見た目が安全でも、操作しているのが信用できない相手なら、それはもう“安全”ではない」との指摘は、今後の設備調達や制度設計に大きな課題を突きつけた。
政府の対応と今後の展開
資源エネルギー庁は28日付で、全国の電力事業者や太陽光発電の設置者に対し、通信機器に不審な点がないか調査するよう要請を出した。また、サイバーセキュリティ対策の強化や、外部アクセスへの防御措置についても指導しているという。
しかし、小野田氏のように「誰が」「どこから」操作しているのかまで踏み込んだ安全保障の視点は、制度上の整備がまだ不十分だ。国産化や技術の透明性に加え、運用管理体制の見直しが急務であることが改めて浮き彫りになった。
ネット上の反応
「この問題、もっと注目されるべき。“遠隔で直せる”って裏を返せば“遠隔で止められる”ってことだよな」
「インバーター国産って言ってても製造が中国なら意味ない。小野田さんの指摘、鋭い」
「日本の電力インフラにリスクを抱えたままでいいのか。政治家がこういう部分まで突っ込んでくれるのはありがたい」
「正当なアクセス者が悪意を持ってたら防ぎようがない。この視点はさすが」
「国防にも関わる話だよ。太陽光設備を“エコ”の文脈だけで語るのはもう古い」