2025-12-16 コメント投稿する ▼
外国人不動産取得 報告義務強化 来年度施行へ
現在、外国人が重要な土地や森林を取得した際の国籍届出義務は、個人の場合は一部で義務化されていますが、法人や森林取得では十分に把握できていませんでした。 これにより、外国人の関与が強い法人による土地取得についても、国籍レベルでの情報が政府に届く仕組みを整えます。 現在は代表者名や所在国は届け出られていますが、国籍そのものについては義務化されていませんでした。
政府、外国人の不動産取得状況の透明化を強化へ
政府は16日、外国人による日本国内の不動産取得状況の透明化を強める新たな方針を発表しました。現在、外国人が重要な土地や森林を取得した際の国籍届出義務は、個人の場合は一部で義務化されていますが、法人や森林取得では十分に把握できていませんでした。これを受けて政府は、外国人の実態をより正確に把握するための制度改正を進める方針です。
この方針は、役員や議決権の過半数が外国人である法人が防衛関連施設周辺などの「重要土地」を取得する場合、その法人の代表者の国籍を届け出ることを義務付けるというものです。これにより、外国人の関与が強い法人による土地取得についても、国籍レベルでの情報が政府に届く仕組みを整えます。現在は代表者名や所在国は届け出られていますが、国籍そのものについては義務化されていませんでした。
同時に、大規模な土地である「森林」についても、個人所有者が新たに取得した場合には国籍の届け出が必要になります。これまでは森林所有者の国籍は必ずしも把握できていなかったため、報告制度の抜け穴になっていました。新たな制度は、森林の所有者として新たに登記される際に国籍を記載させることにより、国全体の土地所有状況の実態把握を狙っています。
現在の制度では、外為法(外国為替及び外国貿易法)に基づき、海外に住む個人や海外に事務所を置く法人が日本国内の不動産を「投資目的」で購入した場合は報告が義務付けられています。しかし、この規定は取得目的が「投資」であるケースに限られ、居住用やその他目的での購入については対象外でした。政府はこの目的区別を取り払い、土地取得の目的に関係なく外国人が不動産を購入した場合は報告を義務付ける方向で調整しています。この動きは、不動産購入目的の曖昧さによって情報が抜け落ちる現状を是正しようとするものです。
SNSでの反応
「不動産取得の透明性は必要。安全保障とも関わる問題だと思う」
「ただただ外国人を制限するのではなく、実態を知ることは大事」
「届け出義務が増えると取引が面倒になる不安もある」
「国籍を把握することで不安が減るなら賛成」
「制度は必要だけどプライバシー配慮も求めたい」
今回の措置は、国土の安全保障や地域住民の安心につなげる意図があります。特に防衛関連施設の周辺地域やインフラ周辺の土地取得については、情報が欠けていると安全保障上の懸念が指摘されてきました。政府は、こうした土地の取得状況を詳細に把握することで、国の安全保障や国民生活へのリスク低減につなげたいと考えています。
報告制度の強化は、外国人個人が重要土地を取得した場合には2025年7月から国籍の届け出が義務化されたことを踏まえたものです。法人についても同様に国籍情報を求めることにより、これまで法人名だけでは分かりにくかった実態が明らかになります。さらに森林については大規模な土地であることから、水源涵養(かんよう)や環境保全の観点でも把握が重要視されています。
政府はこれらの制度改正についてパブリックコメント(意見公募)を行ったうえで、来年度の実施を目指すとしています。制度変更の背景には、世界的に外国人による土地取得が増加している現実があります。日本国内でも住宅や商業用不動産、農地や森林などさまざまな土地が外国人によって取得されており、その規模や状況を正確に把握することが政策決定において重要となってきています。
また、政府はこの報告制度強化が外国人排除を目的とするものではないと強調しています。制度はあくまで実態把握のためであり、合法的な取得を制限するものではないという立場を示しています。これにより、外国人の投資や居住を尊重しつつ、国として適切に管理したいという姿勢がうかがえます。
報告義務化の対象拡大が実施されれば、日本は不動産市場の透明性を一段と高めることになります。国内での土地取引は投資や移住、事業展開など多様な目的があり、外国人の関与が拡大する中で、その全体像を把握するための仕組み整備が不可欠です。今回の措置は、不動産市場の健全性や国の安全保障、地域社会の安定に寄与することが期待されています。