2025-07-07 コメント投稿する ▼
近藤昭一氏がパレスチナ国家承認を政府に要請 「人道外交」に日本はどう応えるのか
「人々の生存権が脅かされている」近藤氏が外相に直談判
超党派の国会議員でつくる「人道外交議員連盟」の幹事長を務める立憲民主党の近藤昭一衆議院議員が7日、岩屋毅外相と外務省で面会し、パレスチナを国家として承認するよう求める要望書を手渡した。
面会で近藤氏は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が苛烈を極めている現状に触れ、「もはや人々の生存権すら守られていない。こうした事態を前に、日本が静観しているわけにはいかない」と強い口調で語った。
要望書は、衆参両院の議員計146人が連名で署名しており、特定の政党の枠を超えた“超党派”の意思として、日本政府に明確な立場を取るよう促すものだ。
「人道外交」を掲げる議連の先頭に立つ
近藤昭一氏が幹事長を務める「人道外交議員連盟」は、政党を問わず人権・人道・平和を外交政策の柱とすることを訴える議員ネットワークで、これまでもミャンマー情勢やウイグル問題など国際人権課題に積極的に発言してきた。
今回のパレスチナ国家承認の要請も、その一環だ。近藤氏は「人道の観点からも、国際社会の多数がすでに国家として承認している現状からしても、日本が後れを取る理由はない」とし、日本外交の在り方そのものに警鐘を鳴らしている。
イスラエルとパレスチナの対立においては、国際的に「二国家共存」が解決の枠組みとして支持されているが、日本政府は長年にわたり“立場を明確にしない”姿勢を続けてきた。
政府は「総合的判断」と回答 及び腰に映る対応
岩屋外相は、要請を受けた際、「総合的に判断したい」と述べるにとどまり、明確な肯定も否定もしなかった。この発言に対して、議連の内部でも「またいつもの曖昧回答だ」と落胆の声が上がっている。
外交的なバランスを重視する政府の立場も理解できなくはないが、明らかに人道危機が発生している場面での“静観”が、結果として加害を容認する構図を生んでいるのではないかという問題提起がなされている。
国際社会ではすでに約140カ国以上がパレスチナ国家を承認している。日本はその中で、経済援助や支援には積極的でも、政治的承認には踏み切ってこなかった。その姿勢が、今、根本的に問われている。
「政治の役割は命を守ること」近藤氏の訴えは届くか
近藤昭一氏の一貫した姿勢は、「政治の役割とは命を守ること」という原則に立脚している。戦火にさらされ、生存権さえ奪われつつある人々に対し、言葉ではなく行動で寄り添うこと。その具体的な一歩として、国家承認を通じたメッセージを日本が発信すべきだと語る。
「外交は力の均衡だけではなく、道徳と人道の声でもあるべきだ」と語る近藤氏の言葉は、政党の枠を超えて響くものがある。
国際情勢が混迷を極める今こそ、「何を言うか」よりも「何をしないか」が外交姿勢として問われているのかもしれない。