2025-10-05 コメント: 1件 ▼
松下玲子氏「おめでとうと言えない」投稿に批判 民意否定とSNS発信の危うさ
立憲民主党の松下玲子衆院議員が10月5日、自民党の高市早苗氏が総裁に選出されたことを受けてSNSに投稿した内容が、政治的・倫理的両面で物議を醸しています。 その民意を、最初から「祝意を伝えられない」とわざわざSNSで表明する態度は、政治的立場の違いを超えて、**民意そのものへの否定にも映ります。
「おめでとうなんて言えない」松下玲子議員の発言に波紋 民意を否定する“祝意拒否ポスト”の代償
立憲民主党の松下玲子衆院議員が10月5日、自民党の高市早苗氏が総裁に選出されたことを受けてSNSに投稿した内容が、政治的・倫理的両面で物議を醸しています。
どうしても、祝意を伝えることが出来ない。きっと私は器が小さな人間なんだと思う
この投稿は6日夕時点で1900万回を超える閲覧を記録し、政治家の個人的感情としては異例の注目を集めました。
「おめでとうと思っていない」感情を前面に
松下氏はさらに、
おめでとうなんて思ってないから絶対に言えない
と強調し、
誰もがその人らしく生きられて、人権や尊厳が守られて、平和で自由な社会を実現するために、負けるわけにはいかない
と投稿しました。
松下氏は、2023年の衆院選で菅直人元首相の後継として東京18区から出馬し、自民党新人に敗れて比例復活した経歴を持ちます。地方自治経験も長く、武蔵野市長として行政を率いた人物です。
民意に背を向ける発言か
高市早苗氏は、自民党総裁選で議員票・党員票を通じて選ばれた事実上の首相候補です。つまり、高市氏の選出は民意の延長線上にある政治的決定です。
その民意を、最初から「祝意を伝えられない」とわざわざSNSで表明する態度は、政治的立場の違いを超えて、民意そのものへの否定にも映ります。
政治家である以上、相手の主張や政策に反対する自由はあります。しかし、選挙で選ばれた相手を人格的に拒むような姿勢を公に示すことは、政治文化を貶める行為とも言えます。
民意で選ばれた相手を否定するのは自由だが、それをSNSでわざわざ発信するのは社会人として失格ではないか
とする声も、ネット上には少なくありません。
“感情の政治”が招く分断
SNSの時代、政治家が「率直な感情」を見せることは共感を呼びやすい一方、冷静な政策議論を損なう危険性もはらんでいます。
松下氏の発言は、自身の信念の表明でもありますが、同時に「気に入らない相手は祝えない」という感情優先の政治姿勢を露呈しました。
民主主義の根幹は、相手を受け入れたうえで議論を交わすことにあります。民意の結果を受け入れず、感情で拒む姿勢は「多様性の否定」にも通じます。それは、松下氏が掲げる「人権や尊厳の尊重」とも矛盾しかねません。
“祝わない自由”の境界線
確かに、誰を祝うかは個人の自由です。しかし、公職にある者が感情のままに拒絶を公言すれば、社会に対して“許される敵意”の基準を広げる危険があります。
政治家に求められるのは感情の共有ではなく、理性の発信です。松下氏の投稿はその境界を踏み越え、民意への敬意を欠いた自己表現となりました。
“祝わない自由”と“公的責任”のバランス――。今回の発言は、政治家にとってSNSの使い方そのものを問い直す事例といえるでしょう。