2025-05-29 コメント投稿する ▼
沖縄県、留学生の就労時間を週36時間に拡大要望 地域経済と学業両立を模索
沖縄県、留学生のアルバイト時間延長を要望 法務省と協議へ
沖縄県が日本語学校に通う外国人留学生の就労時間について、週28時間から36時間へと上限を引き上げるよう法務省と調整を進めている。この提案は、2023年度の国家戦略特区制度を活用した取り組みの一環であり、県内の人手不足解消と留学生支援の両立を目指している。
経済的負担軽減と地域雇用への貢献が狙い
沖縄県によると、日本語学校に通う留学生の多くは、学費や生活費をまかなうためにアルバイトを行っている。現在、資格外活動の範囲で週28時間までの就労が認められているが、物価上昇や学費負担の増加を背景に「この制限では生活が苦しい」という声が相次いでいた。
県はこの状況をふまえ、就労時間の上限を週36時間へと拡大することで、留学生の経済的安定を図るとともに、観光業や飲食業などの人材不足に悩む地域経済にも貢献できると判断した。特に沖縄県内では、外国人留学生が地域社会と接点を持ちやすい職場も多く、日本語能力向上や文化交流の観点からもプラスとされている。
学業との両立を条件に制度整備を検討
提案に対して法務省は、「学業への影響を最小限にすることが前提」としており、就労時間の延長には慎重な姿勢を示している。ただし、沖縄県は、出席率や成績などの学業状況を踏まえた対象者の選定や、定期的な面談などのフォローアップ体制を整備することで、就労拡大と学業維持の両立を可能にする案を示している。
こうした条件が整えば、限定的なエリアや特定校における「特区モデル」としての試行導入も視野に入る。実現すれば、全国的な制度見直しへの布石ともなり得る。
地域に根ざした留学生支援のあり方
今回の提案は、単に労働力確保という側面だけではなく、地域との共生、教育機会の維持、多文化共生の推進といった視点も内包している。県の担当者は「留学生を単なる労働力と見なすのではなく、沖縄を理解し、将来的に地域社会に貢献する存在として育てていくことが重要」と話している。
すでに一部の大学などでは、学業優秀者に対して特例的に週40時間まで就労可能とする例もあり、こうした柔軟な運用の拡大が求められている。
ネット上の反応
X(旧Twitter)やFacebookでは、今回の提案に対して様々な声が上がっている。
「生活が厳しいなら就労時間を増やすのは当然。むしろ今までが少なすぎた」
「留学生に頼る前に日本人の賃上げを優先すべきでは?」
「学業に支障が出ないように制度設計してくれるなら賛成」
「沖縄の人手不足は深刻だから、うまく活用できる制度にしてほしい」
「安易な拡大は搾取につながる。厳しい監視が必要だと思う」
今後の展望と制度の行方
制度改正には法令や告示の変更が必要となるため、沖縄県と法務省の今後の調整が注目される。就労時間の拡大が留学生にとっての救済策となる一方で、教育の質や生活環境を損なわないよう、バランスの取れた運用が求められる。
また、他の自治体でも同様の課題を抱えていることから、沖縄のケースが全国に波及する可能性もある。留学生の存在が日本の将来の人材戦略の一環であることを考えれば、今後の制度設計には持続可能性と公正性が欠かせない。