2025-03-23 コメント投稿する ▼
マリーナ使用料の値上げ見送りへ 県議会が継続審議を決定
■ 値上げ案の背景
今回の使用料改定案は、施設の維持管理費の増加や老朽化対策のために県が検討していたものだ。宜野湾港マリーナと与那原マリーナでは、長年にわたり使用料が据え置かれていたが、運営の独立採算制を維持するためには収益の確保が必要とされていた。
具体的には、以下の点が改定の理由として挙げられていた。
- 施設の維持管理費の増加
長年の使用による老朽化が進み、修繕や設備更新にかかる費用が増加している。
- 独立採算制の確保
県の一般会計からの補填に頼らず、利用者からの使用料で運営費を賄うことを目指していた。
- 受益者負担の適正化
施設利用者に適正な負担を求めることで、県全体の税負担を軽減する狙いがあった。
■ 県議会が継続審議を決定
しかし、県議会の審議では「利用者への説明が不十分」「負担増に対する対策が示されていない」といった意見が相次いだ。これを受け、委員会は結論を急がず、さらなる検討が必要と判断した。
この決定により、28日の本会議で条例改正案が覆る可能性は低く、少なくとも5月からの使用料値上げは実施されない見込みだ。
■ 利用者の声と今後の課題
マリーナ利用者の間では、設備改善を求める声が以前から上がっていた。例えば、宜野湾港マリーナでは電源供給用のパワーポストの不足が指摘されており、県は段階的な増設を進めている。また、与那原マリーナではイベント時に駐車場が満車になり、船主が駐車できない問題も発生しており、指定管理者が運用改善を進めているという。
一方で、与那原マリーナでは2019年から小型船舶の一部利用者に対して誤って使用料を徴収していたことも判明し、約2000万円分の返還手続きが進められている。こうした問題も、値上げ議論に影響を与えている可能性がある。
■ 今後の見通し
県は引き続き、利用者の意見を聞きながら、より適正な料金改定の在り方を検討していく方針だ。県議会でも、施設の維持管理と利用者負担のバランスをどう取るかが今後の焦点となる。