2025-02-19 コメント投稿する ▼
沖縄・波照間沖の中国語記載ブイ設置 県議会で撤去要請巡る議論紛糾
沖縄・波照間沖の中国語記載ブイ問題 県議会で議論がかみ合わず
沖縄県・波照間島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置された、中国語表記の海上ブイに関して、19日の県議会本会議で議論が行われた。
この問題に関して、自民党会派の新垣新(しんがき・あらた)議員が代表質問で、「漁民が安心して操業できるように、県は国に『ブイを撤去してほしい』と伝えたのか?」と繰り返し質問。
しかし、県農林水産部の前門尚美部長は、撤去要請に関しては答えず、「昨年12月25日に水産庁から情報提供があり、現在はブイに関する情報収集を行い、安全操業の確保について引き続き求めている」との答弁を繰り返し、議論はかみ合わなかった。
ブイ設置の背景と影響
問題となっているブイは、波照間島の南西約140キロの日本のEEZ内で、中国語表記が確認されたものだ。
このブイは、昨年7月に確認された中国の海洋調査船によるブイ設置と同様、尖閣周辺の海域での中国による実効支配を狙ったものとされている。
しかし、今回は台湾の東海岸に近い位置に設置されており、台湾有事に備えて、軍事的な目的で設置された可能性も指摘されている。
日本政府の対応と今後の展開
これまで確認されたブイには「中華人民共和国国家海洋局」などの表記があったが、今回確認されたブイには「中国気象局」や「福建海洋気象浮標」と記載されていた。
無断で他国のEEZ内で海洋調査を行うことは国連海洋法条約に違反するため、日本政府は外交ルートを通じて中国に撤去を求めている。しかし、これまでの対応にもかかわらず、中国側からは撤去の意向は示されていない。
地元漁業への影響と専門家の見解
東海大学の山田吉彦教授は、今回のブイ設置について「台湾有事を視野に入れ、中国が海洋情報を収集する目的で設置された可能性がある」と指摘している。特に、潜水艦の音を収集している可能性があると見ており、これが日本の安全保障に与える影響も懸念される。
一方、玉城デニー沖縄県知事は、詳細な情報は持ち合わせていないとしながらも、「平和的かつ合理的に解決されるよう政府間で取り組んでほしい」とコメントした。