2026-03-02 コメント投稿する ▼
フィリピン出身バス運転手4人が沖縄県庁で報告会、特定技能制度で資格取得し活躍
フィリピン出身のバス運転手4人が2026年3月2日、沖縄県庁を訪れ、池田副知事に業務報告を行いました。特定技能制度を活用して資格を取得した4人は、深刻な運転手不足に悩む沖縄の観光産業を支える存在として期待されています。
全国に先駆けて外国人運転手を採用
池田副知事を訪ねたのは、東京バス沖縄営業所で運転手として勤務するフィリピン出身の男性4人です。チャヴェズ・メルヴィンさんら4人は、特定技能制度の資格を持ち、研修を経て2025年12月から那覇空港と北谷を結ぶシャトルバスを運転しています。
日本語と英語の両方で接客ができる4人は、沖縄の観光客にとって心強い存在です。池田副知事が「フィリピンの地元と比べてどうですか」と尋ねると、チャヴェズ・メルヴィンさんは「道が狭いですね。でもゆっくり安全に運転すれば大丈夫です」と笑顔で答えました。
東京バスグループの嵩原俊樹執行役員は、業界の人材不足は深刻で、彼らが果たす役割は大きいと説明しました。全国に先がけて外国人運転手を採用した同社は、今後も採用を増やしていきたいと意欲を示しています。
「外国人の運転手さんが増えるのは良いことだと思う。観光客も安心するはず」
「言葉の問題は大丈夫なのか心配。でも頑張ってほしい」
特定技能制度で9人を採用
東京バスは、外国人労働者を受け入れる特定技能制度を活用して9人を採用しました。このうちの4人が那覇空港を起点に南部方面と中部方面を結ぶリムジンバスの運転手として勤務しています。
東京バスは2020年に沖縄の路線バス事業に参入しました。運転士不足への対応として、2025年7月に9人をフィリピンから迎え入れ、外国免許の切り替え、大型二種免許の取得、特定技能1号資格への切り替えを支援し、社内研修を重ねてきました。
東京バス沖縄営業所運行管理部の仲村渠武部長は「真面目に取り組んでくれている。長く働いてほしい」と語りました。4人は乗客から「ありがとう」と声をかけられることに喜びを感じており、安全運転と思いやりのある運転を心がけています。
「バスを降りる時にお客さんがありがとうと言ってくれて本当にうれしい」
深刻化するバス運転手不足
人材難でバス路線や本数の削減が各地で相次ぐ中、政府は2024年3月、特定技能制度の対象に自動車運送業を加えると閣議決定しました。日常的な日本語能力が就労の条件となっています。
東京バスの西村晴成社長は「乗務員が新型コロナウイルス禍の前に比べ、約15パーセント減った。働き方改革で労働時間が制約され、平均年齢も50代半ば。人材確保は急務だ」と訴えました。
日本は少子化が進み、バス運転手を志す若者が少なくなっています。自動車運送業では、2026年度からの5年間で28万8000人程度の人手不足が予測される中、国内で生産性向上や労働環境整備による人材確保をもってしてもなお不足する見込みです。
「運転手不足でバスの本数が減って困っている。外国人でも誰でもいいから増やしてほしい」
今後の課題と展望
観光が好調な沖縄では4人の配置では足りず、東京バスは20人から30人の追加採用を望んでいますが、来年以降の見通しは厳しい状況です。西村社長は「数名来てくれたらうまいこといった感じかな」と打ち明けました。
他のバス会社やトラック業界も外国に人材を求めており、外国人材の争奪戦が激化しています。フィリピン人運転手の待遇は日本人と同じですが、日本の給与水準は欧米などに比べて低く、出稼ぎの外国人にとって魅力が薄れてきているという課題もあります。
西村氏は、経済発展が著しいフィリピンやインドネシアからは数年後、出稼ぎに来てもらえなくなる恐れがあるとみて、他国での採用も模索しています。特定技能の外国人ドライバーは、今後5年間で最大2万4500人受け入れられる見込みです。
沖縄観光を支える存在に
池田副知事は、沖縄のリーディング産業である観光がますます発展するよう力を貸してくださいと話し、4人の今後の活躍に期待を示しました。「沖縄は観光産業がメインで、人手不足の中でフィリピンから来ていただいて、本当に感謝申し上げます」と述べました。
特定技能制度を活用した外国人バス運転手の採用は、深刻な人材不足に悩む交通業界にとって大きな希望となっています。日本語と英語の両方で接客できる彼らの存在は、外国人観光客が多い沖縄において、特に大きな力を発揮することが期待されています。
今回の報告会は、外国人労働者が日本の地域社会に溶け込み、重要な役割を果たしている好例といえます。今後、さらに多くの外国人運転手が活躍することで、沖縄の観光産業がますます発展していくことが期待されます。