2026-02-21 コメント投稿する ▼
沖縄PFAS公害調停却下も法の欠陥認定、国に対応求める異例の付言
沖縄県公害審査会が2026年2月21日、市民団体によるPFAS公害調停の申請を却下しました。米軍基地が防衛施設であることを理由とした判断です。しかし審査会は決定書の中で、現行法制度の構造的欠陥を認め、国に積極的な対応を求める異例の付言を行いました。市民の不安が認められ、制度の限界が可視化されたことで、専門家は重要な前進と評価しています。
防衛施設は対象外、法の構造的欠陥を認定
沖縄県公害審査会は市民団体の申請について、環境基本法に基づく水質汚濁の被害に該当すると認めました。その一方で、米軍基地などの防衛施設は公害紛争処理法第50条で適用の対象外と規定されています。審査会は法律の欠陥は現時点で補正することができないと指摘しました。
申請したのは宜野湾ちゅら水会、コドソラ、PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会の3団体です。2025年10月に防衛省や外務省を相手取り、基地内への立ち入り調査などを求めて調停を申し立てていました。
沖縄国際大学の砂川かおり准教授は、今回の決定について構造的欠陥を行政の第三者機関が公式に認めたと評価します。人の健康または生活環境にかかる被害があることを認定させた意義は大きいと指摘しています。
「公害調停が却下されたけど法の限界が明らかになったのは前進だ」
「米軍基地由来の汚染は調停できないって矛盾してる」
「結局住民の健康より日米地位協定が優先されるのか」
「10年も基地内調査できてないのに救済手段もないとか」
「国が本気で動かないと沖縄の問題は解決しない」
審査会が異例の付言、国に積極的対応求める
審査会は決定書の中で、申請者らがPFASが高濃度で検出される現状に不安を抱くのはもっともなところと市民の懸念に理解を示しました。さらに、PFASによる環境汚染の実態調査や法規制についてこれまで以上に国が積極的に取り組むことを望むと記しました。
これは却下決定としては異例の内容です。申請を不適法とする一方で、市民の不安を正面から認め、国の責任を明確にする姿勢を示したことになります。
宜野湾ちゅら水会の町田直美代表は、不安に思うことは当然であると認められたこと、政府がもっと積極的に取り組むことを望んでいると公害審査会が認定したことを大きな評価だとしています。砂川准教授も、却下を負けあるいは後退と捉える必要はなく、むしろ制度の限界を可視化し国の責任を浮き彫りにしたと述べました。
マンホール泡噴出続く、市民の不安払拭されず
2026年2月24日、宜野湾市大山のマンホールから白い泡が噴き出しているのが確認されました。2026年1月にも市内の別のマンホールから泡が噴出し、市民団体の調査では国指針値の5倍超となる高濃度のPFASが検出されています。
現場は米軍普天間飛行場からの排水が流れ込む下水道につながっており、宜野湾市は採水してPFAS調査を専門機関に依頼しました。目撃者によれば、マンホールの上にアイスクリームみたいに泡が乗っていて、風で周囲に飛ばされていたといいます。
沖縄県内では2016年にPFASによる水道水汚染問題が初めて確認されました。県などは汚染源は米軍基地である蓋然性が高いとしていますが、発覚から10年経つ今も基地内への立ち入り調査は実現していません。地位協定によって基地内への立ち入りができず、日本の環境法が適用されないという問題に直面しています。
砂川准教授は、行政には法制度の制約があっても住民の生命や健康を守る義務があると指摘します。市民団体が求めているPFAS対策にかかる費用の負担など、国が積極的に動くことが求められています。今回の決定は制度の限界を公的に明確化し、国の責任を浮き彫りにしたという意味で、PFAS問題の今後にとって重要な前進になると評価されています。