2025-11-25 コメント投稿する ▼
松江城「令和の大修理」2027年開始 14億円投入で国宝天守を保存
島根県松江市は11月25日、国宝に指定されている松江城天守について、2027年度から大規模改修工事を実施すると正式に発表しました。 今回の「令和の大修理」では、昭和25年から30年にかけて行われた前回の解体修理とは異なり、外観を中心とした改修となります。
国宝松江城「令和の大修理」始動 2027年度から3年間で14億円投入へ
島根県松江市は11月25日、国宝に指定されている松江城天守について、2027年度から大規模改修工事を実施すると正式に発表しました。
工事は2029年度までの3年間を予定し、総事業費は14億5000万円を見込んでいます。前回の大修理である「昭和の大修理」から約70年が経過し、屋根瓦の劣化や雨漏りなどの損傷が目立つようになったため、この度の決断に至りました。
「やっと大修理が始まるのか。松江城は地元の誇りだからしっかり直してほしい」
「工事期間中も見学できるなら良いけど、料金が上がるのは痛いなあ」
「国宝だから当然だけど、14億円って結構な金額だね」
「観光客としては松江城が長く残ってくれることが一番大事」
「昭和の修理から70年も経つなら、そりゃ傷むよね」
外観中心の修理で歴史的価値を保持
今回の「令和の大修理」では、昭和25年から30年にかけて行われた前回の解体修理とは異なり、外観を中心とした改修となります。解体は伴わず、屋根瓦や外壁などの修理が中心となる予定です。
松江市の木下誠・松江城史料調査課長は記者会見で、建造物の価値が損なわれないよう、大きく形は変えずに元の姿に戻していく方針を示しました。これにより、慶長16年(1611年)に完成した松江城天守の歴史的な景観が保たれることになります。
市では2025年度中に破損状況を詳細に調査し、2026年度中に設計を完了させる計画です。工事期間中も可能な限り一般公開を継続するとしており、観光への影響を最小限に抑える配慮も行われます。
財源確保へ多角的な取り組み
修繕費用の確保に向けて、松江市は新たな基金を設立します。個人や企業からの寄付金の受け皿として活用するほか、企業版ふるさと納税制度も積極的に活用する方針です。
さらに、財源確保の一環として、天守閣への入場料金を引き上げることも決定しました。2026年7月1日から、松江市民以外の大人料金を現在の800円から1200円に値上げします。一方で、小中学生の入場料は無料とし、地元の子どもたちが歴史に親しみやすい環境を整えます。
上定昭仁市長は記者会見で、松江城を守り次の世代に受け継いでいくために今回の修理や料金改定は必要なものだと市民の理解を求めました。
国宝天守として歩む未来への課題
松江城天守は2015年7月に国宝に指定され、全国で5つしかない国宝天守の一つとして貴重な存在となっています。現存する12天守の中でも、面積は姫路城大天守に次いで2番目、高さは3番目の規模を誇ります。
今回の大修理は、30年後の維持修理、60年後の解体修理につながる長期的な保存計画の第一歩と位置づけられています。市では今後も定期的なメンテナンスを実施し、この貴重な文化遺産を後世に確実に継承していく方針です。
一方で、松江城周辺では近年、高層マンションの建設が相次ぎ、城郭からの景観に影響を与える問題も浮上しています。国宝としての価値を守るためには、建物の保存だけでなく、周辺環境の保護も重要な課題となっています。