佐藤啓官房副長官が補助金不正受給団体から献金　裏金出禁に追い打ち

派閥の裏金事件で参院議院運営委員会などを「出禁」になっている佐藤啓官房副長官氏（46）が、新たな政治とカネの問題で窮地に立たされています。佐藤氏が代表を務める「自由民主党奈良県参議院選挙区第二支部」が2022年度、愛知県一宮市の医療法人有俊会から10万円の献金を受けていたことが週刊文春の報道で明らかになりました。

不正受給の実態と佐藤氏の関与

問題の医療法人有俊会が運営するいまむら病院は、新型コロナ対策の補助金を虚偽申請した詐欺の疑いで、10月末に名古屋地検特捜部の家宅捜索を受けている状況です。さらに深刻なのは、愛知県は有俊会が2020年～2023年にかけて計約4億5000万円を不正受給していたと認定。関連補助金の総額約17億6000万円の返還を求めたという巨額の不正受給の実態です。

つまり、佐藤氏は不正受給が行われていた時期に献金を受け取っていたことになります。しかも、有俊会理事長で元衆院議員の今村洋史氏は、佐藤氏と同じく旧安倍派所属。220万円の不記載を認めた裏金議員でもあるという、裏金議員同士の癒着構造が浮き彫りになっています。

佐藤氏の事務所は11月10日の文春からの質問に対して「政治資金規正法に則った寄附であるのかを確認した上で適法に受けたものと承知しているが、道義的観点から返金した」と回答。しかし、返金日は「2025年11月11日」と、文春からの質問が届いた翌日という極めて後手に回った対応でした。

国民から厳しい批判の声

「返金するというのであれば、そもそも献金というシステム自体に問題があるのだと思います」
「世間であれだけコロナ補助金不正受給や裏金問題が騒がれていたのに、関係団体から献金を受け取り、今なお返金をしていなかった事実はかなり大きい」
「ただでさえ裏金で出禁状態なのに、またつっこまれる要素が増えた」
「お金にだらしない議員しか高市（早苗）さんの周りに残っていない」
「高市さん、すべての国会議員、政治団体に献金の調査を」

高市政権の人事に深刻な問題

この問題は単なる個人の不祥事にとどまらず、高市政権の人事センスの欠如を浮き彫りにしています。佐藤啓官房副長官が首相官邸・国会間の連絡や調整に参加できていない。今国会召集から3週間近くたっても、担当する参院での「出禁」が続いている状況で、なぜこのような人物を要職に起用し続けるのか、国民には理解不能です。

官房副長官という政権の中枢を担う重要ポストに、裏金問題で「出禁」状態の人物を起用すること自体が異常です。しかも今回の不正受給団体からの献金問題により、佐藤氏の金銭感覚の甘さと政治倫理の欠如が改めて明らかになりました。

コロナ補助金不正受給の深刻性

今村理事長と妻の理事らは2020年12月～24年1月、国の交付金を財源に、個人防護具や医療機器などの購入費を補助する愛知県の「設備整備」事業で計約3億8900万円の交付を受けた際、虚偽の事業実績報告書を提出し詐取した疑いが持たれているという悪質な手口が明らかになっています。

コロナ禍で国民が苦しんでいる最中に、医療機関が国民の税金である補助金を不正に受給していたという事実は許しがたいものです。そのような団体から献金を受けていた佐藤氏の道徳的責任は極めて重大です。

政権の信頼失墜は必至

高市政権は「政治とカネ」の問題を解決すると公約していたにもかかわらず、政権中枢に裏金議員を起用し続けています。今回の問題により、高市首相の人事眼と政治倫理への姿勢が厳しく問われることになります。

企業・団体献金への批判は当然であり、国民のための政治ではなく企業のための政治になる恐れがあります。佐藤氏の問題は氷山の一角に過ぎず、徹底的な調査と再発防止策が急務です。

高市政権は佐藤氏の即座の更迭と、全閣僚・政務三役の献金状況の全面調査を行うべきです。国民の信頼を回復するためには、中途半端な対応では済まされません。