2025-11-05 コメント投稿する ▼
カンボジア特殊詐欺拠点で日本人13人拘束、佐藤啓官房副長官が発表、東南アジア被害急拡大
佐藤啓官房副長官は2025年11月5日の記者会見で、カンボジア南東部バベットの特殊詐欺拠点で日本人13人が拘束されたことを発表しました。 東南アジア全域では特殊詐欺拠点の急速な拡大が深刻な問題となっています。 ミャンマーでは12万人、カンボジアでは10万人が詐欺に関わる強制労働に従事させられており、その多くが拷問や人身売買などの人権侵害を受けています。
東南アジア全域に拡散する詐欺拠点
今回摘発されたバベットは、ベトナム国境に近いカンボジア南東部スバイリエン州に位置し、複数の経済特区が整備され多くの中国企業が進出する国際的な商業都市です。カジノホテルなどでにぎわう一方で、特殊詐欺の温床となっていました。
東南アジア全域では特殊詐欺拠点の急速な拡大が深刻な問題となっています。国連の推計によると、詐欺拠点による2023年の被害額は東・東南アジアだけで最大370億ドル(約5兆3000億円)に達しています。ミャンマーでは12万人、カンボジアでは10万人が詐欺に関わる強制労働に従事させられており、その多くが拷問や人身売買などの人権侵害を受けています。
現場からは複数のパソコンや携帯電話などが押収されており、組織的な詐欺活動の実態が明らかになりつつあります。バベットの他の拠点も捜索が続けられており、拘束者はさらに増える見込みです。
「海外の高収入バイトに誘われて行ったら詐欺の片棒を担がされた」
「カンボジアにいる息子と連絡が取れなくなった、心配です」
「なぜ政府は渡航前にもっと警告しないのか」
「被害者なのか加害者なのか、複雑な気持ちです」
「こんな危険な国に行かせてはいけない」
日本人被害の深刻化と背景
カンボジアでは今年5月にも北西部ポイペトで日本人29人が拘束される事件が発生しており、東南アジアでの日本人関与事案が相次いでいます。愛知県警は8月下旬にも捜査員を派遣し、ポイペト事件の関係者について詐欺容疑で逮捕状を取得しています。
特殊詐欺に関与する日本人の多くは、偽の求人に騙された被害者としての側面を持ちます。オンラインゲームやSNSで知り合った面識のない人物から「タイなど海外での高収入の仕事」を紹介され渡航し、最終的に詐欺拠点に連れて行かれるパターンが典型的です。
外務省も「ミャンマーにおける特殊詐欺への加担強要等に関する注意喚起」を発出し、不用意に海外就労の誘いに乗らないよう警告を強化しています。2025年2月現在で日本人7人がタイ当局に拘束・保護されていますが、政府は他に何人の日本人が滞在しているか把握できていない状況です。
産業化した国際犯罪組織の実態
東南アジアの詐欺組織は中国系のグループが多く、組織化・産業化が進んでいます。タイ国家警察の分析では「詐欺組織の収入は麻薬組織を上回り、世界最大規模」とされており、摘発を強化しても組織は手口や場所を変えて対応している状況です。
これらの組織は単なる詐欺だけでなく、オンライン違法カジノの運営にも手を染めており、日本は主要な市場となっています。警察庁の調査では、国内でオンラインカジノを利用した人は337万人に迫り、年間の賭け金総額は約1兆2000億円に上ります。
詐欺拠点では被害者が軟禁状態に置かれ、ノルマを達成できないと暴行を受ける実態が明らかになっています。最大規模の拠点では狭い部屋に8人で暮らし、毎日16時間働かされるという過酷な労働環境が報告されています。
国際連携の強化が急務
今回の摘発は日本大使館、警察庁、カンボジア当局の連携により実現しました。しかし詐欺組織は国境を越えて活動しており、一国だけでは対処が困難な状況です。ミャンマーでは内戦状態の混乱に乗じて犯罪組織が活動を活発化させており、ラオス、フィリピンにも拠点が拡散しています。
佐藤官房副長官は「捜査中の案件でプライバシー保護の観点から詳細は明らかにしない」としていますが、被害の拡大防止のためには情報公開と国民への注意喚起が重要です。政府は現地当局との連携を深めつつ、日本国内での予防教育と水際対策の強化を図る必要があります。
海外就労を装った詐欺への加担強要は、被害者と加害者の境界が曖昧な複雑な問題です。しかし国民の生命と安全を守るため、政府は予防から救出まで包括的な対策を早急に講じるべきです。