2025-04-14 コメント: 2件 ▼
「減税こそ今必要」高市早苗氏、森山幹事長の“トラス・ショック”警告に真っ向反論
森山氏は鹿児島市内の講演で、2022年にイギリスで起きた「トラス・ショック」を引き合いに出した。トラス元首相が打ち出した大規模減税政策は、財源の見通しが甘く、結果として金融市場が大混乱。ポンドは急落し、長期金利は急騰、トラス政権はわずか49日で崩壊した。
森山氏はその事例を念頭に「国際的な信頼を損なう減税は避けるべきだ」と述べ、党内で広がる減税論にくぎを刺した形だ。
これに対して高市氏は、「今の日本では“トラス・ショック”のような事態は起こらない」と真っ向から反論した。講演では、物価高への対応策として減税と政府支出の拡大を訴え、「それは将来の税収増にもつながる」と強調。さらに、日本の財政を語るうえで、「借金の総額(グロス)」ではなく、「資産も差し引いた純債務(ネット)」で見るべきだという考えを示した。
「今、私たちが手を打たなければ、未来の世代にツケを回すことになる」と高市氏。
高市氏は、減税や積極的な財政出動が必要だとする理由として、以下のような政策課題を挙げた。
- 急激な物価高に苦しむ国民生活への支援
- 技術革新や雇用、人材育成の基盤強化
- 食料・エネルギー・医療といった“安全保障”分野の強化
- 国防や防災対応のさらなる整備
また、2024年の日本の国際収支は29兆円を超える黒字となり、これは過去最大。イギリスとは異なり、日本は対外的な経済基盤が安定していると強調した。
減税をめぐる論点は、単なる財政論争ではない。党内の政策主導権をめぐる駆け引きの色合いも見えてくる。岸田政権の次をにらみ、自民党内で経済政策をめぐる攻防は今後さらに激しくなりそうだ。