2026-03-24 コメント投稿する ▼
高市早苗首相、マレーシアとマーシャル諸島にイラン非難声明参加を呼びかけ ASEAN連帯へ
高市早苗首相は2026年3月24日、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相と電話会談を行い、ホルムズ海峡の安全な航行確保が「喫緊の課題」だとした上で、2026年3月19日に日本や欧州各国などが発表したイランを非難する共同声明への参加を呼びかけました。
これに先立ち高市首相は、マーシャル諸島のハイネ大統領とも電話会談を行い、同様に共同声明への参加を呼びかけたほか、中東情勢への対応について連携していくことで一致しました。
「最も強い言葉で非難」 日欧6カ国共同声明の内容と意義
今回の共同声明は2026年3月19日、日本・英国・フランス・ドイツ・イタリア・オランダの6カ国首脳の連名で発表されました。後にカナダ、韓国、ニュージーランド、オーストラリア、スウェーデン、バーレーンなどが次々と参加し、3月21日時点で参加国は22カ国に拡大しています。
声明はペルシャ湾においてイランが非武装の商業船舶や石油・ガス施設を含む民間インフラへの攻撃を行い、ホルムズ海峡を事実上封鎖したことを「最も強い言葉で非難」すると強調し、イランに対して機雷の敷設・ドローンおよびミサイル攻撃・商業船舶の航行妨害を直ちに停止し国連安全保障理事会決議2817に従うよう求めました。また各国が「ホルムズ海峡における安全な航行確保のための適切な取り組みに貢献する用意がある」とも表明しています。
この声明は高市首相がトランプ大統領との日米首脳会談(2026年3月19日)直前に発表したもので、自衛隊艦船の派遣要求など米側からの圧力を受け止めつつも、日本が法律の枠組みの中で行動することを示す材料の一つになりました。
「6カ国どころか20カ国以上が参加した共同声明は、世界がイランの行動に怒っているという強いメッセージだと思う」
「日本がこういう場面でリーダーシップをとれるようになってきたのは評価したい」
マレーシアとマーシャル諸島への呼びかけ ASEAN・太平洋の連帯強化へ
今回高市首相がマレーシアとマーシャル諸島を呼びかけの対象に選んだ背景には、外交上の重要な意図があります。マレーシアは2026年のASEAN(東南アジア諸国連合)議長国であり、東南アジア全体への影響力を持つ重要なパートナーです。
アンワル首相はホルムズ海峡問題についてマレーシア独自の立場や取り組みを説明するにとどめており、共同声明への参加を明確に表明したかどうかは明らかになっていません。マレーシアは対イラン関係でも独自の外交路線をとってきた経緯があります。
一方、マーシャル諸島は太平洋島しょ国として日本にとって重要な外交パートナーであり、共同声明の参加国拡大という面でも象徴的な意義を持ちます。同国への働きかけは、中東情勢への対応が「欧米対イラン」の構図だけではなく、より広い国際社会の問題であるというメッセージを発信する狙いがあります。
「東南アジアにも共同声明の輪を広げようとしているのは外交的に賢い動き。イランを孤立させる効果がある」
ホルムズ海峡封鎖で輸送95%減 国際社会の危機感が加速
国際社会が共同声明に次々と加わっている背景には、ホルムズ海峡封鎖がもたらしている甚大な影響があります。調査会社のデータによると、ホルムズ海峡を通過する資源輸送船は封鎖開始以降に急減し、2026年3月1日から19日の間の通過船数は平時の平均から95%以上減少しています。
国連安全保障理事会も2026年3月11日にイランによる湾岸諸国への攻撃を非難する決議2817を賛成13・中国とロシアの棄権2で採択しています。国際社会の圧力は着実に高まっており、2026年3月23日にはトランプ大統領が攻撃計画を5日間延期し対話協議を進めると発表する動きも出てきました。
しかし、イランは完全封鎖も辞さないとの姿勢を崩していません。日本にとってはエネルギー安全保障に直結する問題であり、共同声明の輪をアジア・太平洋にも広げることで外交的圧力を高めることが、今後の交渉において重要な意味を持ちます。
「マレーシアが同調してくれるとASEAN全体への波及効果が大きい。外交戦略として正しい」
今回の一連の電話会談は、日本が中東情勢においてただ欧米に追随するのではなく、アジア・太平洋地域における連帯の構築に向けて主体的に動いている姿勢を示すものです。外交成果の透明性という観点では、今後どれだけの国々が共同声明に加わったか、またその成果がイランの行動変容にどう結びついたかを国民に明示する責任が政府にはあります。