2026-03-09 コメント投稿する ▼
高市早苗首相の外国人政策に矛盾 経産省レポートが示した人手不足の真実
原則として外国人労働者は日本人と同等以上の待遇が求められますが、受け入れ先の63パーセントは利益率が3パーセント程度の小規模事業者であり、賃上げの原資が乏しいのが実情です。 企業にとって外国人労働者の受け入れは利益につながる一方、国民にとっては賃金抑制と受け入れ負担という「非対称性」が極めて大きい政策なのです。 秋田県の高齢化率はすでに40パーセントであり、男鹿市では53パーセントに達しています。
経済産業省が2026年1月26日に公表した「2040年の就業構造推計」が大きな波紋を広げています。人手不足を理由に外国人労働者の受け入れ拡大を進めてきた政府の方針と真っ向から対立する内容だからです。同レポートは、AI・ロボット活用による省人化や雇用流動を加味すれば2040年時点でも大きな人手不足は生じないと結論付けました。
一方、高市早苗首相率いる政権は、レポート発表のわずか3日前の1月23日の閣議決定で、特定技能の対象分野にリネンサプライなど3分野を新たに追加しています。2028年度末までの育成就労と特定技能1号における123万人の上限値も設定されましたが、実質的に受け入れ拡大路線は継続中です。
経産省レポートが示す数字と、現場で進む外国人労働者受け入れの拡大。この矛盾はいったい何を意味するのでしょうか。
外国人労働者受け入れが生む賃金抑制の構造
経産省の推計によれば、現場人材や生産工場従事者は不足するものの、事務職で約437万人の余剰が生じます。雇用流動を適切に促せば、外国人労働者に頼らずとも労働力は確保できる計算になります。
しかし、特定技能や育成就労制度で働く外国人の月収は20万から24万円程度と低水準です。原則として外国人労働者は日本人と同等以上の待遇が求められますが、受け入れ先の63パーセントは利益率が3パーセント程度の小規模事業者であり、賃上げの原資が乏しいのが実情です。
人手不足に直面すれば、企業は本来なら価格転嫁による賃上げや合理化を行い、余剰傾向にある事務職などから人材を集めざるを得ません。しかし、政策的に安価な労働力が供給されると、こうした市場原理による賃金上昇の必要性が失われてしまいます。つまり、外国人労働者が働く職場では「外国人並の賃金水準」となり、日本人労働者の離職が加速します。やがて外国人労働者ばかりの職場になり、彼らへの依存状態ができあがる。これが「外国人がいないと回らない職場」の正体です。
過去10年で実質賃金は右肩下がりの一方、国内企業の営業利益率は約1.5倍に拡大しています。昨年11月に日経新聞が行った社長アンケートでは、実に9割超が外国人労働者受け入れに賛成でした。企業にとって外国人労働者の受け入れは利益につながる一方、国民にとっては賃金抑制と受け入れ負担という「非対称性」が極めて大きい政策なのです。
「外国人労働者が増えたら日本人の給料が上がらないのは当然じゃん」
「これって企業が儲けるために国民に負担押し付けてるだけだよね」
「人手不足って言うけど、ちゃんと給料払えば人は集まるでしょ」
「AI化もっと進めればいいのに、なんで外国人ばっかり増やすの」
「結局、経営者が賃上げしたくないだけじゃないか」
特定技能2号がもたらす事実上の移民政策
さらに深刻な問題は、特定技能2号の存在です。この在留資格は更新回数に上限がなく、家族帯同や永住権、帰化申請も可能です。2023年に対象業種が2分野から11分野に拡大された結果、2025年11月末時点で6744人と前年同期の673人から一気に10倍に増加しました。
入管庁の調査では在留外国人の永住志向は61.8パーセントに達しています。政府がいかに移民政策であることを否定しても、制度は事実上の移民目的での在留を可能にしているのです。
特に飲食料品製造業や外食業という参入障壁が低いとみられる2分野だけで特定技能2号全体の41パーセントを占めます。試験の対策も進み、高い合格率を宣伝する支援組織もあります。「留学から技人国・高度専門職から永住者」ルートが金銭的に難しい移民希望者は、外食など特定技能2号の取得が容易な分野を目指すことになるでしょう。
企業の利益と国民の負担という非対称性
外国人を労働者として受け入れる企業側は、賃金上昇が限定的な彼らが増えれば増えるほど利益につながります。受け入れコストに対してすら、税金から助成金まで出る手厚さです。しかし、彼らを地域住民として受け入れる国民にとって、外国人住民の増加に比例して膨れ上がるのは利益ではなく負担です。
賃金水準が低い外国人労働者は公的負担も必然的に低くなりますが、公的サービスの利用条件は国民と変わりません。外国人の子どもが保育園に行けば、0歳児で一人当たり月42万円、2歳児でも月21万円の公費がかかります。小学校では外国人児童の増加に伴う多言語対応の負担で、日本人児童の教育機会に悪影響が及んでいるとの指摘もあります。
企業側に低コストの恩恵をもたらす一方、国民側には高負担のツケを回すという非対称性が極めて大きい受け入れ政策自体に問題があるのです。また、国籍を問わず若い低所得層は統計的に犯罪性向が高く、その被害者の多くは受け入れ側の日本国民です。
AIとロボットによる省人化の可能性
AIやロボットの活用による省人化、無人化の大波が押し寄せています。外食チェーンでは配膳ロボットが日常的になりつつあり、大阪王将では数年前から炒飯やレバニラなどの炒め物を自動で調理するロボットが稼働しています。農業分野でも自動収穫ロボットが大規模農園などで導入が進み、実習生からロボットに切り替える農園も現実に増え始めています。
特にロボット分野は近年、AIが機械を自律的に制御する「フィジカルAI」の流れが広がり、技術進展のスピードが急速です。アメリカではベンチャー企業が家事用ロボットを300万円程度で2026年内に販売開始予定です。労働時間に制限がないロボットは時給換算では数百円以下になると見込まれており、償却資産の設備となるロボット導入は人間を雇うよりコスト・税制的にも圧倒的に有利です。
大手コンサルのマッキンゼーは、AI技術の浸透で2030年までに世界の労働時間の3割が代替可能だとの予測を出しています。AIやロボット化の普及スピードは、労働人口の減少スピードより明らかに早いのです。
秋田県が示す外国人なしでも回る社会
外国人の手をほとんど借りていない秋田県のような地域であっても、少なくとも崩壊することなく、たとえ不便でも相互扶助をしながら順応した暮らしがあります。秋田県の高齢化率はすでに40パーセントであり、男鹿市では53パーセントに達しています。一方で秋田県の外国人は人口6097人、比率0.67パーセントと全国最下位で、日本人だらけの今や珍しい自治体です。
秋田では最新のAI・DX技術を取り入れた合理化が全国でも特に進んでいます。成瀬ダム建設では世界最大規模の無人化・省人化技術が活用され、鹿島建設が開発した自動施工技術により10台以上の無人重機が数年前から稼働しています。米作では田んぼへの直接種まきが可能な農業用ドローンを秋田県の東光ホールディングスが開発し、苗を育てる手間が省け、人が田んぼに入る必要すらなくなるという大幅な省人化とコスト削減を可能にしています。
秋田県では外国人の参入分野とも重なる最低賃金が近年、急ピッチに上昇しています。2025年度の最低賃金引き上げ率は熊本、大分に次ぐ全国3位となる8.4パーセントの1031円となり、今や仙台市を擁する宮城県の1038円とほぼ並びました。10年間の伸び率では、東京都の35パーセントに対し秋田県は48パーセントとなり、伸び率の勢い差は37パーセントです。秋田では「どう外国人を確保するか」ではなく「どう合理化するか」に苦心した結果、実際に賃上げや新たな技術が誕生しているのです。
高市首相の秩序ある共生社会は詭弁か
高市首相は2026年2月18日の記者会見で「排外主義とは一線を画しつつも、国民の皆様の安全と安心を確保して、外国人政策を秩序あるものとする」と述べました。しかし、政府が1月23日に取りまとめた外国人政策の基本方針では、在留外国人の総量規制は見送られました。在留資格審査の厳格化や帰化要件の厳格化を強調する一方、外国人の流入そのものを抑制する政策は打ち出していません。
年々拡大する企業の利益率を支える低賃金依存という構造問題が、「外国人に支えてもらっている」という情緒的な問題や人権問題へとすり替えられています。生産性の向上や労働者への賃上げをしない企業の怠慢を、国民の罪悪感と受け入れ負担に転嫁するような政策は不健全と言わざるを得ません。
直視すべきは「人が集まらない」という現象ではなく、「なぜ日本国内で日本人が働く気が起きない環境と賃金水準を維持し続けるのか」という不都合な事実です。移民政策の良し悪しはよく語られますが、欧州の混乱を見ても国民にとってはダメージしかない政策なのは明白です。しかし政策を決定する政府や彼らに近い企業の関係者にとって、直接的な利害に結びつくのは国民の民族構成ではなく、税収や売上などなのです。
こうした側面のある外国人の受け入れ政策に対し、「移民政策」ではなく「秩序ある共生社会」の推進だと説く高市首相。果たしてこの状況を国民はどう考えるのでしょうか。
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