2026-01-13 コメント投稿する ▼
高市早苗首相と李在明大統領、長生炭鉱遺骨DNA鑑定で日韓協力合意
2026年1月13日、高市早苗首相と韓国の李在明大統領が奈良市で開いた首脳会談で、太平洋戦争中に水没事故が起きた山口県宇部市沖の海底炭鉱「長生炭鉱」の遺骨を巡り、日韓両政府がDNA鑑定の実施で協力する方針を固めました。 韓国政府や市民団体は、発見以来DNA鑑定の実施を日本政府に求めていましたが、日本側は韓国政府との協議を理由に具体的な実施時期を示さない状態が続いていました。
日韓首脳会談で動く83年の願い
山口県沖の海底炭鉱遺骨、DNA鑑定へ協力合意
2026年1月13日、高市早苗首相と韓国の李在明大統領が奈良市で開いた首脳会談で、太平洋戦争中に水没事故が起きた山口県宇部市沖の海底炭鉱「長生炭鉱」の遺骨を巡り、日韓両政府がDNA鑑定の実施で協力する方針を固めました。1942年の事故から83年が経過し、ようやく犠牲者遺族への返還に向けた道筋が見えてきました。
高市首相は会談で、遺骨のDNA鑑定を実施する方針を李大統領に説明しました。日本政府は専門業者に鑑定を依頼するとともに、一部は韓国の業者にも委託することを検討しています。血縁関係が特定された場合は、遺族への遺骨の返還も目指していく考えです。日本政府は過去の痛みに寄り添いながら、未来志向の日韓関係を築くメッセージとしたい考えです。
市民団体の努力が実を結ぶ
長生炭鉱では2025年8月、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が実施した潜水調査で、頭蓋骨を含む人骨4点が回収されました。この団体は2024年9月に独自の資金で埋もれていた炭鉱の坑口を掘り当て、以降、何度も潜水調査を重ねてきました。遺骨は山口県警に引き渡され、県警本部の冷蔵庫で保管されていました。
「やっと政府が動いてくれる。83年待ちました」
「遺骨が見つかっても半年近く何も進まないなんておかしい」
韓国政府や市民団体は、発見以来DNA鑑定の実施を日本政府に求めていましたが、日本側は韓国政府との協議を理由に具体的な実施時期を示さない状態が続いていました。市民団体は2025年12月、政府が対応しない場合は独自に民間の調査機関で身元特定を進めると宣言していました。
183人が犠牲、136人は朝鮮半島出身者
長生炭鉱の水没事故は1942年2月3日、日米開戦の2か月後に発生しました。炭鉱の入口から約1キロメートル沖で天井が崩壊し、海水が浸水しました。犠牲者183人のうち136人が朝鮮半島出身者でした。当時、長生炭鉱は別名「朝鮮炭鉱」とも呼ばれるほど、労働者の大部分を朝鮮の人々に依存していました。
坑道が浅く危険な炭鉱として地元では敬遠され、朝鮮人労働者が多く集められていたとされています。戦時中の増産体制のもと、多くの石炭産出が求められる中で事故は起きました。遺骨は事故以来、海底に眠ったままでした。
「祖父の遺骨がやっと故郷に帰れるかもしれない」
「日本政府は本当に遺族のことを考えているのか疑問だった」
国は戦没者遺骨収容推進法に基づき遺骨収集やDNA鑑定を実施していますが、戦没者とは戦闘行為による犠牲者を指すため、長生炭鉱の犠牲者は該当しないという立場を取ってきました。2004年の日韓首脳会談を受けて戦時中の民間徴用者の遺骨調査予算が毎年約1000万円計上されていますが、厚生労働省は見える遺骨だけが調査対象としてきました。
2026年2月に本格的な遺骨収容へ
市民団体は2026年2月、世界各国の著名ダイバーを招いて本格的な遺骨収容プロジェクトを実施する予定です。2018年にタイで発生した洞窟遭難事故の救助活動に参加したフィンランド出身の熟練ダイバーなども参加する見通しです。坑道内には現在判明しているだけでも4体の遺骨が残されているとされています。
市民団体はすでに朝鮮半島出身者25人と日本人4人の計29人分の遺族からDNA型データ31件を集め、2025年10月に警察庁に提出していました。韓国政府も80人以上のDNA型データを保有しており、全体の半数近い犠牲者の身元が明らかになる可能性があります。
「一刻も早く鑑定を進めて、遺族に返してあげてほしい」
今回の日韓首脳会談での合意により、長年にわたる市民団体と遺族の願いがようやく実現に向けて動き出すことになります。過去の歴史と向き合い、犠牲者の尊厳を回復する取り組みとして注目されます。