2025-12-12 コメント投稿する ▼
高市首相「君が代の意味統一されていない」発言で物議 政府見解と矛盾
高市首相「君が代の意味統一されていない」発言が物議 政府見解と矛盾する答弁で混乱。 高市早苗首相が2025年12月12日の参院予算委員会で、国歌「君が代」について「歌詞の意味や解釈が統一されているわけではない」と述べた発言が波紋を広げている。 高市首相の「意味が統一されていない」という発言は、この政府見解と真っ向から対立する内容である。
高市早苗首相が2025年12月12日の参院予算委員会で、国歌「君が代」について「歌詞の意味や解釈が統一されているわけではない」と述べた発言が波紋を広げている。しかし、政府は1999年から明確な解釈を示しており、首相発言は政府見解と明らかに矛盾している。
首相発言の背景と内容
自民党の今井絵理子参院議員が、11月に開催された聴覚障害者の国際総合スポーツ大会「東京デフリンピック」で使用された君が代の手話表現を国の責任で公式版に格上げするよう求めたことがきっかけだった。
今井氏は「統一した表現がなく、地域によって異なる。国の責任で公式版へ格上げすべきだ」と訴えた。聴覚障害のある息子を持つ今井氏にとって、手話による国歌は切実な問題である。
これに対し高市首相は「国旗国歌法では歌詞と楽曲しか定められていない。つまり、歌詞の意味や解釈が統一されているわけではない。わが国では手話は一つだけではないと承知している。統一した国歌の手話表現を定めるには留意が必要がある」と慎重な姿勢を示した。
首相は「政府として国歌の統一的な手話表現を定めることは考えていない」と明言し、「関係者が試行版を作成した取り組みに敬意を表する。そうした状況を見守りたい」と述べるにとどまった。
「君が代の意味が統一されてないって、そんなわけないでしょ」
「政府見解があるのに首相が知らないのはおかしい」
「高市さんらしくない曖昧な答弁だった」
「手話の君が代を避けたいから詭弁を使ったのでは」
「国歌の意味を首相が否定するなんて前代未聞」
政府見解は明確に存在
実際には、政府は君が代について明確な公式見解を示している。1999年の国旗国歌法制定時、小渕恵三首相(当時)は趣旨説明で「君が代とは、日本国民の総意に基づき、天皇を日本国および日本国民統合の象徴とするわが国のことであり、また君が代の歌詞も、そうしたわが国の末永い繁栄と平和を祈念したものと解することが適当」と明確に定義している。
この政府見解は、現在まで一貫して維持されており、「天皇を象徴とするわが国の繁栄祈念」という解釈で統一されている。高市首相の「意味が統一されていない」という発言は、この政府見解と真っ向から対立する内容である。
手話表現への配慮が招いた混乱
高市首相の発言は、全日本ろうあ連盟が作成した手話版君が代への配慮から生じたとみられる。同連盟の手話国歌では、「君が」の部分で右手をゆっくり前へ差し出して「あなた」を丁寧に表現しており、政府見解の「天皇を象徴とする」とは異なる解釈になっている。
この齟齬を回避するため、首相は君が代の意味自体が統一されていないという論理を展開したが、結果的に政府見解を否定する発言となってしまった。憲政史上、現職首相が国歌の意味について政府見解と異なる見解を示すのは極めて異例である。
保守派からも批判の声
高市首相は保守派の政治家として知られ、これまで君が代や日の丸を強く支持してきた。それだけに、今回の発言は支持者からも困惑の声が上がっている。
ある自民党議員は「高市さんらしくない曖昧な答弁だった。君が代の意味は政府として明確に示しているのに、それを否定するような発言は理解できない」と苦言を呈している。
保守系論壇からも「首相が国歌の意味を曖昧にするのは国家の尊厳に関わる問題だ。手話への配慮は理解できるが、だからといって政府見解を覆すような発言は適切ではない」との批判が出ている。