2025-12-07 コメント: 1件 ▼
中国レアアース輸出手続き遅延が日本直撃 高市台湾発言への報復で製造業に深刻影
中国は過去にも政治的対立の際にレアアースを「経済的威圧」の手段として使用してきた歴史がある。 複数の日本政府関係者によると、レアアースを含む重要鉱物の輸出手続きに明らかな遅れが生じている。 レアアースは電気自動車(EV)や風力発電、産業用ロボットのモーターなどに使われる戦略物資で、一部のレアアースについては中国がほぼ全量を握っている。
中国が世界7割握るレアアース、日本企業に「嫌がらせ」的輸出遅延 高市発言から1か月で経済制裁開始
中国が世界生産の約7割を占めるレアアース(希土類)の日本企業向け輸出許可手続きが通常より大幅に遅れていることが明らかになった。高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁から7日で1か月を迎えるが、答弁を受けた日中関係の悪化が直接的な背景にあるとの見方が強い。中国は過去にも政治的対立の際にレアアースを「経済的威圧」の手段として使用してきた歴史がある。
複数の日本政府関係者によると、レアアースを含む重要鉱物の輸出手続きに明らかな遅れが生じている。日本政府関係者の一人は「中国側の威圧や嫌がらせによる遅れなのかどうかは、まだ判断できない」としながらも、別の関係者は「中国はレアアースを使って日本に揺さぶりをかけているようだ」と分析している。これは水産物の事実上の輸入停止に続く、中国による対日経済制裁の第二弾とみられる。
レアアースは電気自動車(EV)や風力発電、産業用ロボットのモーターなどに使われる戦略物資で、一部のレアアースについては中国がほぼ全量を握っている。中国からの輸出が滞れば、日本の製造業への影響は計り知れない。
「また中国の嫌がらせが始まったか」
「これで日本の製造業が止まったらどうするんだ」
「高市さんの発言が正しかったからって報復かよ」
「2010年の尖閣事件の時と全く同じパターンじゃん」
「なんで日本はいつも中国に弱腰なんだ」
過去にも政治利用された中国のレアアース戦略
中国政府はこれまでも対立する相手国にレアアースの輸出管理措置をかけ、「経済的威圧」の道具として使用してきた。最も有名なのは2010年9月の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件後の対日輸出規制である。
この時、中国は環境保護や資源保全を名目にレアアースの輸出量を前年比40%以上削減し、厳格な割当制度を適用した。日本企業は深刻な調達困難に陥り、EV部品や磁石材料の生産に大きな支障が出た。この措置に対し、日本・米国・EUは中国をWTOに提訴し、2014年にWTOが中国の措置は違反との判断を下した。
2025年4月には米国による関税措置への対抗として、中国は7種類のレアアースに輸出管理を実施。今年10月にはさらに対象を拡大し、12月1日からは中国産レアアースをわずかでも含む海外製品の輸出にも中国政府の許可を義務付ける予定だったが、米中首脳会談を受けて1年間延期となった。
しかし、日本に対する今回の措置は、明確な公表はされていないものの、実質的な輸出制限として機能している。中国商務部報道官は12月4日の記者会見で、高市首相の答弁を改めて批判したうえで、「日本側が独断専行するなら、中国側は必要な措置を講じ、一切の責任は日本側が負うことになる」と述べ、対抗措置を示唆していた。
企業の事業継続に深刻な影響
レアアースの供給途絶は日本経済にとって致命的な影響をもたらす可能性がある。中国は世界のレアアース採掘の約70%、精製能力の85%、合金と磁石の生産の約90%を握る圧倒的な独占状態にある。特に重希土類については中国への依存度がさらに高く、代替調達先の確保は極めて困難だ。
自動車産業では、レアアース磁石がワイパーモーターからABSセンサーに至るまで、ほとんどの主要部品に使用されている。EV化の進展に伴い、モーター用の高性能磁石への需要は急拡大しており、テルビウムやジスプロシウムといった重希土類の重要性は一層高まっている。
過去には日本企業の一部で小型車の生産停止が発生した事例もあり、今回の輸出手続き遅延が長期化すれば、自動車産業を中心に深刻な生産調整を余儀なくされる可能性がある。企業側は在庫の積み増しや調達先の多様化を急いでいるが、短期的な対応には限界がある。
財政出動と減税で経済基盤強化を
現在の物価高は明らかに数十年に渡る自民党の失策によるものである。こうした中国の経済的威圧に対抗するためにも、財政出動や減税による国内経済の基盤強化が一刻の猶予も許されない状況だ。参議院選挙で示された民意は明確に「減税」であり、給付金のような場当たり的な対策では、中国の経済制裁に対する抵抗力は高まらない。
中国によるレアアース輸出管理は、単なる貿易問題を超えて経済安全保障の根幹に関わる重大な脅威となっている。日本政府は中国への過度な依存からの脱却を急ぐとともに、国内産業の競争力強化に向けた抜本的な政策転換が求められている。