2025-12-05 コメント投稿する ▼
衆院定数削減法案、民意無視の「自動削減」に野党反発
こうした定数削減のプログラム法案が許されるなら、2025年7月の参院選で野党各党が公約に掲げた消費税減税こそプログラム法案として実現すべきとの声が高まっています。 政治アナリストからは、定数削減のプログラム法案を認めるなら、同様の手法で消費税減税プログラム法案も成立させるべきとの指摘が出ています。
政策基盤揺るがす衆院定数削減法案
与野党対立激化、消費税減税プログラム法の必要性も浮上
自民党と日本維新の会が2025年12月5日に衆議院に提出した議員定数削減法案をめぐり、政界に大きな波紋が広がっています。現在465議席の衆議院定数を45以上削減する内容で、協議が1年以内にまとまらなければ小選挙区25議席、比例代表20議席を自動的に削減する条項が盛り込まれています。
この「プログラム法案」は、基本理念や実現手順を定める性格の法律で、具体的な制度改正は後の個別法で決める仕組みです。維新は当初、比例代表50議席の削減を主張していましたが、小選挙区も削減対象に含める妥協案に転じました。
野党からの猛反発と日程的制約
野党からは一斉に反発の声が上がっています。立憲民主党の安住淳幹事長氏は"なぜ1割削減なのか、なぜ1年で結論なのか説明を求めたい"と批判を強めています。国民民主党関係者も"削減ありきの乱暴な議論だ"と憤りを表明しました。
公明党の西田実仁幹事長氏は"1割の理由がいまだに判然としない"と疑問を呈し、自民党内部からも「これ以上、選挙区を削ったら地方から議員がいなくなる」(ベテラン議員)との反発がくすぶっています。
今国会は12月17日の会期末まで約半月という短期間で、野党には企業献金規制を優先するよう求める意見も根強くあります。定数削減法案の成立は極めて不透明な状況です。
参院選が示した消費税減税への民意
こうした定数削減のプログラム法案が許されるなら、2025年7月の参院選で野党各党が公約に掲げた消費税減税こそプログラム法案として実現すべきとの声が高まっています。参院選では野党はそろって消費税減税・廃止を主張し、「消費税を守り抜く」と反対した自民党や公明党は大敗しました。
選挙結果により自民党と公明党は非改選議席を合わせても過半数を割る結果となり、参院選当選者の6割超が減税・廃止を主張していることが判明しています。これは明確な民意の表れと言えるでしょう。
「消費税減税こそ国民が最も求めている政策だ」
「定数削減より消費税減税を先にやってほしい」
「参院選の結果を見れば民意は明らかでしょう」
「プログラム法案が通るなら消費税減税も同じ手法で」
「議員を減らす前に国民の税負担を減らすべき」
手法の整合性に疑問の声
政治アナリストからは、定数削減のプログラム法案を認めるなら、同様の手法で消費税減税プログラム法案も成立させるべきとの指摘が出ています。プログラム法案は実務をするのは政府や官僚なのでそのスキルをフルに活かせるとともに、法案提出のハードルが低いという利点があります。
消費税減税については野党各党が掲げる消費税減税の細かなところが様々に食い違っているものの、減税の方向性では一致しており、プログラム法案として大枠を決めてから詳細を詰める手法は理にかなっています。
参院選で示された「減税優先」という民意を無視して、定数削減だけをプログラム法案で進めることは、政治への国民の信頼をさらに損なう恐れがあります。与党は自らが用いようとする手法の論理的一貫性について、国民に明確な説明責任を果たす必要があるでしょう。