2025-12-03 コメント投稿する ▼
自民党が議員定数削減法案の了承見送り 維新との連立合意に暗雲
自民党は2025年12月2日、衆議院議員定数削減法案について党内で協議しましたが、異論が相次いだため了承を見送りました。 しかし、「結論ありきの法案はあり得ない」などと反対意見が相次いだため了承を見送りとなっています。
自民党内の強い抵抗で議員定数削減法案の了承見送り——維新の「身を切る改革」に暗雲
自民党は2025年12月2日、衆議院議員定数削減法案について党内で協議しましたが、異論が相次いだため了承を見送りました。日本維新の会との連立合意の柱である「身を切る改革」の実現に向けて、早くも大きな試練を迎えています。
自動削減方式への強い反発
法案は現在の465人の「1割を目標として削減する」ほか、1年以内に結論が出なかった場合、小選挙区の定数を25人削減、比例代表の定数を20人削減するという内容でした。しかし、「結論ありきの法案はあり得ない」などと反対意見が相次いだため了承を見送りとなっています。
この自動削減方式は、高市早苗首相と維新の吉村洋文代表が12月1日に合意したばかりの内容でした。法施行から1年以内に結論が得られなければ小選挙区25、比例代表20を軸に、計45議席を自動的に減らすことで合意したはずですが、自民党内の抵抗は予想以上に強いものでした。
連立政権の根幹が揺らぐ危機
維新にとって議員定数削減は連立入りの絶対条件でした。吉村洋文代表が「大幅な定数削減を本気でやれるかどうかがポイントだ。そこは譲らない」と表明し、「絶対条件は議員定数の削減だ。12月中にやると決断できないなら、他の改革もできない」と強調していました。
この状況について、鈴木俊一幹事長は「連立合意の着実な実現を図ることが必要であり、しっかり取り組んでまいりたい」と述べていますが、党内の強い反対を前に実現への道筋は見えなくなっています。
「結論ありきの法案はあり得ない」
「維新離脱ですか」
「はい維新バイバイ」
「議員定数削減とか50億くらいしか浮かないから別にやらなくていいよ」
プログラム法案への方針転換
自民党は当面の解決策として、期限や削減幅など全体の工程を明記した「プログラム法案」を今国会に提出して成立を目指すことで当面の決着を図る検討に入ったとされています。これは実質的な先送りを意味しており、実際の削減は先送りされるため、強硬論のある維新の理解を得られるかが焦点となっています。
鈴木俊一幹事長は野党に異論が相次ぐ現状では12月17日が会期末の今国会中に「完成形」の法案を成立させるのは非現実的だと指摘し、段階的なアプローチを示唆しています。
身を切る改革の行方
この問題は単なる法案の賛否を超えて、連立政権の基盤そのものを揺るがす可能性があります。維新は企業・団体献金に続き重要なテーマで妥協を強いられた格好となっており、党是である「身を切る改革」の実現が危ぶまれています。
自民党は大半の小選挙区に候補者を立てており、小選挙区を対象とする案にも異論が出る可能性があるという構造的な問題もあり、今後の調整は極めて困難な状況です。自民党は週内の法案提出を目指していますが、党内合意の道筋は依然として不透明です。
維新の「身を切る改革」と自民党の既得権益保護という根本的な価値観の違いが露呈した今回の騒動は、連立政権の将来に大きな影を落としています。